過去問関係

第34回 キャリアコンサルティング技能検定2級 学科試験 解答(問6〜10)

この記事について

「第34回 キャリアコンサルティング技能検定2級 学科試験」(令和7年6月実施)の解答解説を作成しました。

過去問を解いた際に調べたこと内容を記入しています。

解答は自分で調べたので、間違いがあるかもしれません。
間違え等を見つけた場合は、お知らせください。

1記事5問ずつアップしています。

問:6

正解:3

ホランド理論の核心要素

ホランドの理論(RIASECモデル)は、人格タイプと環境の一致を中核としています。具体的には:

・人格タイプ:Realistic(現実的)、Investigative(研究的)、Artistic(芸術的)、Social(社会的)、Enterprising(企業的)、Conventional(慣習的)の6類型。

・環境タイプ:上記の人格タイプに対応する6つのワーク環境(例:Realistic環境は機械や工具を扱う職場)。

・一致の重要性:個人が自分の人格タイプに合った環境を選択することで、キャリア満足度や成功の可能性が高まる。

選択肢1:不適切

この区分は、スーパーのライフキャリアレインボーの役割

選択肢2:不適切

シャインのキャリアアンカーの8つの分類

選択肢3:適切

ホランドの理論の本質

  • 個人が自分の能力や価値観を発揮できる環境を求める。
  • 環境と人格の一致が満足度や成功につながるというメカニズム。

選択肢4:不適切

ホランド理論は発達段階を考慮せず、あくまで「現在の人格と環境の相互作用」に焦点を置きます。発達段階はスーパー(Super, D. E.)など他の理論の要素です。

問:7

クランボルツの理論は、予期せぬ出来事(偶発性)をキャリア形成の機会として積極的に活用することを提唱しています。

偶発性の普遍性:キャリアに影響を与える偶発的な出来事は「稀」ではなく、日常的に発生する。現代の変化の激しい労働市場では、むしろ一般的な現象である。

・行動の重要性:クライエントが探索的行動(例:新しい経験への挑戦、ネットワーキング)を始めることで、有益な偶然の機会を「意図的に引き寄せる」ことができる。

・カウンセリングの目標:クライエントが「好奇心」「柔軟性」「リスクテイキング」などのスキルを発揮し、偶発的な出来事をキャリアの好機に変える力を養うことを支援する。

正解:4

選択肢1:不適切

理論は、偶発的な出来事がキャリアに影響を与えることを「珍しい」とは見なさず、普遍的で活用すべき資源と位置づけます。
「予期せぬ出来事はキャリアの好機につながる」、や「不確実性は現実として受け入れるべき」とされています。

選択肢2:不適切

クランボルツは、未決定を「望ましい状態」 と見なします。
「未決定は機会を開く」とされ、「カウンセリングの目標は単一のキャリア決定ではなく、継続的な学習と行動」と説明されています。

選択肢3:不適切

理論は、想定外の出来事を古い信念の再評価や学習の機会として活用することを奨励します。
「クライエントがブロック(例:固定観念)を克服するよう支援する」とされ、「柔軟性」や「好奇心」のスキルは、信念の再考を促します。

選択肢4:適切

クランボルツの理論

  • クライエントが探索的行動(例:新しい活動への参加、スキル開発)を始めることで、偶発的な出会いや機会を増やせる。
  • カウンセリングでは、5つのスキル(好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険心) を通じて、クライエントが能動的に機会を創出する力を支援する。

問:8

選択肢1:不適切

論理療法(Rational Emotive Behavior Therapy)は、アルバート・エリスが開発した認知行動療法の一種で、クライエントの「不合理な信念」を特定し、論理的な思考へ導くことを目的とします。
転移や逆転移の分析は、精神分析の核心技法であり(例:フロイトの理論)、論理療法では重視されません。
論理療法は「現在の思考パターン」に焦点を当て、過去の無意識的葛藤を掘り下げることをしません。

選択肢2:適切

家族療法は、システム論を基盤とし、個人の問題を「家族システム全体の相互作用」として捉えます。

  • システム論の適用:家族を「相互に影響し合うサブシステムの統合体」とみなし、問題は個人ではなく家族の構造やコミュニケーション・パターンに起因する。
  • 円環的因果律:問題行動は直線的因果関係ではなく、家族成員間のフィードバックループ(例:Aの行動→Bの反応→Aのさらなる行動)で維持される。

選択肢3:不適切

フォーカシングは、ユージン・ジェンドリンが開発した技法で、身体感覚や「感じられた意味(felt sense)」に注意を向け、内面的気づきを深めるプロセスです。
P-A-Cモデル(親・大人・子どもの自我状態)は、交流分析の核心概念であり、フォーカシングとは無関係です。フォーカシングでは自我状態の分析を行いません。

選択肢4:不適切

交流分析(Transactional Analysis)は、エリック・バーンの理論で、P-A-Cモデルを用いて対人交流パターンを分析します。
自由連想法は、精神分析の技法であり、クライエントが無意識を探索するために寝椅子で自由に連想する方法です。交流分析では自由連想法を使用せず、「ストローク」「ゲーム分析」などの独自技法を適用します。

問:9

正解:1

選択肢1:不適切

自律訓練法は、自己暗示によってリラックス状態を誘導する技法であり、筋肉の直接的な操作は行いません。

具体的には
公式暗示:特定の言葉(例:「手足が重い」「心臓が静かに打っている」)を心の中で繰り返し、身体感覚の変化を自然に待つ。

受動的注意集中
意図的に筋肉を緊張・緩和させるのではなく、身体の感覚(重さ・温かさなど)に受け身で注意を向ける姿勢が重視される。

選択肢2:適切

自律訓練法は、練習者が自ら公式を反復し、リラックス状態を創出する「自己主導型」の技法です。
カウンセラーの介入に依存せず、日常生活でのセルフケアが可能な点が特徴であり、適切です。

選択肢3:適切

ドイツの精神科医ヨハネス・ハインリヒ・シュルツが1932年に体系化した理論で、催眠研究を基に「標準訓練」(7つの公式)を確立しました。

選択肢4:適切

「自然な変化を待つ」という記述は、自律訓練法の基本原則である受動的注意集中を指します。
自己暗示を強制せず、身体感覚の自然な変化に委ねる姿勢が強調されます。

問:10

正解:3

選択肢1:不適切

「マナビDX」は、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営するデジタル人材育成プラットフォームです。
主にデジタルスキルやDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の講座を提供しており、人文分野が特に豊富という特徴はありません。また、文部科学省が民間企業に委託しているわけでもありません。

選択肢2:不適切

「人材確保等支援助成金」は厚生労働省が実施する助成金制度ですが、これは事業者(企業)が従業員のスキルアップや採用活動などにかかる経費の一部を補助するものです。
受講者個人に対して受講費用の一部が直接支給される制度は「教育訓練給付金」などが該当します

選択肢3:適切

この事業は、経済産業省が認定した事業者を通じて、「キャリア相談」「リスキリング講座の提供」「転職支援」を一体的に実施する体制を整備しています。
リスキリングと労働移動の円滑化を目的とし、対象者は転職を目指す個人です。

選択肢4:不適切

このガイドラインは中小企業のみを対象としたものではなく、すべての企業・労働者を対象としています。
中小企業のみに限定した内容ではありません。ラウン、ハケットがこれをキャリア領域に拡張し、認知プロセスを追加しました。

2級技能士 第34回 問1〜50解説リンク集

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