過去問関係

第34回 キャリアコンサルティング技能検定2級 学科試験 解答(問16〜20)

この記事について

「第34回 キャリアコンサルティング技能検定2級 学科試験」(令和7年6月実施)の解答解説を作成しました。

過去問を解いた際に調べたこと内容を記入しています。

解答は自分で調べたので、間違いがあるかもしれません。
間違え等を見つけた場合は、お知らせください。

1記事5問ずつアップしています。

問:16

正解:2

選択肢1:不適切

性別にみた賃金 男女別に賃金カーブをみると、男性では、年齢階級が高くなるにつれて賃金も高く、55~59 歳で 427.4 千円(20~24 歳の賃金を 100 とすると 186.4)と賃金がピークとなり、その後下降 している。
女性は、50~54 歳の 285.9 千円(同 130.2)がピークとなっているが、男性に比べ 賃金の上昇が緩やかとなっている。

選択肢2:適切

1995年と2023年の男性の賃金カーブを比較すると、2023年の方が若年から中高年にかけての上昇カーブがやや緩やかになっています。

図5 賃金カーブ|早わかり グラフでみる長期労働統計|労働政策研究・研修機構(JILPT)

選択肢3:不適切

学歴別の賃金カーブでは、大学・大学院卒は高校卒に比べて勾配が大きく、平行ではなく大きく上昇します。

選択肢4:不適切

20代前半から大企業の方が中小企業より賃金が高い傾向にあり、中小企業が上回ることはありません。

問:17

正解:4

選択肢1:不適切

  • 2024年平均の完全失業率は2.5%と、前年に比べ0.1ポイント低下
  • 完全失業者数は176万人と、前年に比べ2万人減少(3年連続の減少)
  • 完全失業率を男女別にみると、男性は2.7%と前年に比べ0.1ポイントの低下、女性は2.4%と0.1 ポイントの上昇
  • 完全失業者を男女別にみると、男性は101万人と4万人の減少、女性は76万人と3万人の増加

完全失業者を求職理由別にみると、

  • 「勤め先や事業の都合による離職」は22万人と3万人の減少
  • 「自発的な離職(自己都合)」は75万人と前年と同数
  • 「新たに求職」は48万人と1万人の増加

2024年の完全失業者数は176万人で、前年より2万人減少しています。

選択肢2:不適切

2024年の就業者数を産業別にみると、前年に比べ最も増加した産業は「情報通信業」です。総務省統計局の労働力調査(基本集計)によれば、「情報通信業」は2024年平均で292万人となり、前年より14万人増加しました。
次いで増加幅が大きかったのは「医療,福祉」で12万人の増加、「宿泊業,飲食サービス業」で9万人の増加となっています。

一方で、「製造業」は9万人減、「農業,林業」は7万人減、「建設業」は6万人減と、減少した産業も目立ちました。

選択肢3:不適切

就業率(15歳以上人口に占める就業者の割合)は61.7%と、0.5ポイントの上昇(4年連続の上 昇)。

男女別にみると

  • 男性は69.6%と0.1ポイントの上昇
  • 女性は54.2%と0.6ポイントの上昇

15~64歳の就業率は79.4%と0.5ポイントの上昇

 男女別にみると

  • 男性は84.5%と0.2ポイントの上昇
  • 女性は74.1%と0.8ポイントの上昇

選択肢4:適切

賃金の改定の実施状況 令和6年中における賃金の改定の実施状況(9~12月予定を含む。)をみると、

  • 「1人平均賃金を 引き上げた・引き上げる」企業の割合は91.2%(前年89.1%)
  • 「1人平均賃金を引き下げた・引き 下げる」は0.1%(同0.2%)
  • 「賃金の改定を実施しない」は2.3%(同5.4%)
  • 「未定」は6.4%(同 5.3%)

となっている。

 企業規模別にみると、すべての規模で「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」企業の割合が 9割を超えており、いずれも前年の割合を上回っている。

令和6年賃金引上げ等の実態に関する調査_概況 (P4)

問:18

正解:4

選択肢1:不適切

雇用保険の適用対象は「週20時間以上」の労働者です。

雇用保険の適用対象は、以下の条件を満たす労働者です。

  • 適用事業所に雇用されていること
  • 31日以上の雇用が見込まれていること
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること(2028年10月以降は10時間以上に拡大予定)

これらの条件を満たせば、パートタイムやアルバイトなどの短時間労働者も雇用保険の対象となります。また、学生や短期・季節労働者、日雇い労働者については別途特例が設けられています。

選択肢2:不適切

労災保険(労働者災害補償保険)は、雇用保険の適用に関係なく、賃金が支払われるすべての労働者(パート・アルバイト等も含む)が対象です。

選択肢3:不適切

健康保険(社会保険)の加入要件は「月額賃金8万8,000円以上」です。

パート・アルバイトなど短時間労働者の場合(特定適用事業所:従業員51人以上)
次のすべてを満たす場合、社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入が必要です。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
  • 学生でないこと(夜間・定時制・通信制は除く)
  • 従業員数51人以上の企業で勤務している(2024年10月から適用範囲拡大)

選択肢4:適切

厚生年金・健康保険の手続きは事業主が行い、国民健康保険の資格喪失や加入手続きは被保険者本人が行う必要があります。

問:19

正解:4

選択肢1:不適切

タクシードライバー(ハイヤー・タクシー運転者)の時間外労働は、臨時的特別な事情がある場合でも「年960時間」が上限です。一般の労働者の上限(720時間)よりも多く設定されています。

選択肢2:不適切

2024年4月改正により、有期労働契約でも「就業場所の変更の範囲」および「業務の変更の範囲」いずれも書面で明示することが義務付けられています。

労働契約書(労働条件通知書)への記載義務事項(絶対的明示事項)は、労働基準法第15条および施行規則により、以下の項目が必須とされています【2024年4月改正対応】。

  • 労働契約の期間(有期の場合は契約更新の有無・基準も)
  • 就業場所および従事する業務の内容
  • 就業場所・業務の変更の範囲(2024年4月より追加)
  • 始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無
  • 休憩時間、休日、休暇
  • 交代制勤務をさせる場合は交代勤務に関する事項
  • 賃金(決定・計算・支払方法、締切日・支払日)
  • 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

また、有期雇用の場合は以下も必須です。

  • 契約更新の上限の有無・内容
  • 無期転換申込機会および無期転換後の労働条件

さらに、パートタイム・アルバイト等の短時間労働者については、

  • 昇給の有無
  • 退職手当の有無
  • 賞与の有無
  • 雇用管理相談窓口

なども明示が必要です。

これらの事項は、原則として書面(電子交付も可)で労働者に交付しなければなりません

選択肢3:不適切

無期転換申込権が発生する契約更新のたびに、毎回「無期転換申込機会」を書面で明示する必要があります。一度だけの明示では足りません。

001360796.pdf(無期転換ルールの よくある質問(Q&A) 厚生労働省)Q11参照

選択肢4:適切

有期労働契約の更新上限を「新設」や「短縮」する場合は理由の説明義務がありますが、「撤廃」や「延長」する場合は説明義務はありません。ただし、契約内容の明確化の観点から説明が望ましいとされています。

問:20

正解:2

選択肢1:不適切

職場外の犯罪行為でも、企業秩序や社会的評価に重大な悪影響を与える場合(例:企業の信用失墜)、就業規則に規定されていれば懲戒処分が可能です。ただし、私生活への過度な干渉は認められません。

選択肢2:適切

出勤停止期間に法的上限はありませんが、行為の悪質性と均衡しない長期間(例:軽微な違反で数か月)は「懲戒権の濫用」として無効となる可能性があります。
裁判例では、事案に応じた妥当性が判断基準となります。

選択肢3:不適切

労働基準法第91条は、減給制裁について「1回の額が平均賃金の1日分の半額以内」「1か月の総額が賃金総額の10%以内」という上限を定めています。
無給は明らかにこれを超え、違法となります。

選択肢4:不適切

懲戒処分は就業規則に明記された事由に限定されます。規則に規定されていない事由での処分は、原則として無効とされています。

2級技能士 第34回 問1〜50解説リンク集

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