2級キャリアコンサルティング技能士試験、合格への挑戦記
この記事について
2級キャリアコンサルティング技能士試験に、2回目の挑戦をしました。
結果は不合格でした。
2級試験への挑戦を始めて、約1年になります。
今回は、届いた試験結果を前回と比較しながら、今の気持ちと、これまでの1年間を振り返ってみたいと思います。
やっぱりダメだったか
不合格を知ったとき、最初に浮かんだのは、
「やっぱりダメだったか」
という気持ちでした。
試験を終えた時点で、うまくできなかったと思うところがいくつもありました。
そのため、どこかで結果を予想していたのだと思います。
その後、結果通知が届きました。
前回と今回の点数、合格基準の60点までに不足している点数は、次のとおりです。
| 評価項目 | 前回 | 今回 | 変化 | 合格までの不足点 |
|---|---|---|---|---|
| 基本的態度 | 55 | 60 | +5 | 0 |
| 関係構築力 | 50 | 55 | +5 | 5 |
| 問題把握力 | 45 | 55 | +10 | 5 |
| 具体的展開力 | 45 | 50 | +5 | 10 |
| 総合点 | 48 | 55 | +7 | 5 |
すべての評価項目で、前回より点数が上がっていました。総合点も48点から55点へ、7点上がりました。
不合格という結果だけを見れば、今回も合格には届かなかったことになります。それでも、1年間取り組んできたことが、少しずつ点数に表れたことは素直にうれしく思います。
特に、前回45点だった問題把握力は55点となり、10点上がりました。クライエントの話から問題を捉える力は、前回より評価されたのだと思います。
一方で、具体的展開力は45点から50点へ上がったものの、4つの評価項目の中では最も低く、合格基準まであと10点でした。この点数には、問題の本質に触れるのが遅く、その先の展開に十分な時間を使えなかったことが表れているのだと思います。
今回の面接試験を振り返って
私が担当したのは、ケース1の本間さんでした。
本間さんは26歳で、大学の農学部を卒業後、中堅乳製品メーカーの品質保証部に勤務して4年目でした。仕事を続けながら学びたいという思いから、その年の4月に社会人大学院の修士課程へ進学していました。
しかし、進学から3カ月が経ち、平日の夜間や休日に授業を受けながら仕事を続けることに、想像していた以上の負担を感じていました。これから研究が本格的に始まることへの不安もあり、仕事と大学院を両立できるのか悩んでいました。
本間さんは休職も考えていましたが、職場の人たちが大学院への進学を応援してくれているため、仕事で迷惑をかけたくないという思いも抱えていました。大学院での学びと今後の社内でのキャリアを考えたとき、どうするのがよいのかを相談したいというケースでした。
ケースの概要は、キャリアコンサルティング協議会「第36回2級 実技(面接)試験ロールプレイケース」で公開されています。
私は、その悩みの中心にたどり着くまでに時間がかかってしまいました。
問題の本質だと思われる、本間さんの「休業したいのに、それを言い出せない思い」に触れたのは、面談終了の数分前でした。そのため、なぜ言い出せないのかをさらに深く聴いたり、その思いを本間さんと共有したりしたうえで、今後について一緒に考える時間を十分に取れませんでした。
面談を振り返ると、クライエントを理解しようとするよりも、問題を解決しようとする意識が強くなっていたように思います。
本間さんから、なかなか個人的な話を聞かせてもらうことができませんでした。
それは、個人的なことまで安心して話してもらえる関係を、十分につくることができていなかったからだと思います。
また、本間さんの表情が暗く、思い悩んでいるように見えていたにもかかわらず、私は感じたことを言葉にして伝えませんでした。
目の前のクライエントの表情に気づいていたのに、そこで起きていることを面談の中で扱うことができませんでした。
口頭試問にも反省があります。
「今後、どのように面談を進めますか」
という質問に対して、私は答えること自体を忘れてしまいました。
これらが、今回の試験でうまくできなかったと思う点です。
結果と照らし合わせると、基本的態度は60点、関係構築力と問題把握力は55点まで上がっていました。面談中はできなかったことばかりに意識が向いていましたが、評価された部分もあったことが分かります。
その一方で、具体的展開力は50点でした。問題の本質に触れたのが終了の数分前だったことに加え、口頭試問でも今後の進め方について答え忘れてしまいました。これらが、具体的展開力の点数が低かった理由ではないかと思います。
資格が欲しくて始めた挑戦
2級試験への挑戦を始めた当初は、2級技能士という資格が欲しくて受検していました。
キャリアコンサルタントの上位資格を取得したい。
その思いが、挑戦の始まりでした。
しかし、2回の受検と、その間のロープレや勉強を通して、目指すものが少しずつ変わってきました。
今は、単に資格を取得したいのではありません。
これから面談業務を生業としていく中で、クライエントの自己理解を促すことのできる支援者になりたいと思っています。
クライエントが本当に大切にしているものに気づくこと。
自分を縛っていた考え方に気づくこと。
他人の正解ではなく、自分で進む方向を選べるようになること。
面談を通して何に気づき、何を持ち帰るのかは、クライエントによって異なります。
だからこそ、支援者が外側から答えを決めるのではなく、その人自身が自分を理解していく過程を支えられるようになりたいと思います。
仕事と勉強の両立
この1年の間に、私自身の仕事も変わりました。
新しい仕事と試験勉強を両立することは、想像していた以上に厳しいものでした。
自分自身も転職しようかと悩んでいて、いつも前向きな気持ちで勉強できたわけではありません。
キャリアについて悩むクライエントを支援するための勉強をしながら、自分自身もキャリアについて迷っていました。
それでも、ロープレを行い、実際のキャリア相談に向き合い、理論家の本を読みながら、自分に足りないものを考えてきました。
すべては信頼関係から始まる
この1年間で特に大きかったのは、エドガー・H・シャインの本を読んだことです。
『謙虚なコンサルタント』を読み、信頼関係を構築することの大切さを、改めて強く感じました。
すべては、そこから始まるのだと思います。
クライエントとの間に信頼関係がなければ、個人的なことを話してもらうことはできません。
悩みの本質を聞かせてもらうことも、自己理解を促すこともできません。
今回の面接で、本間さんから個人的な話を十分に聞かせてもらえなかったことも、問題解決を急いでしまったことも、この信頼関係と切り離して考えることはできないと思います。
私はこれから、シャインのいう「レベル2の関係」を、面談の中でどのようにつくっていくのかを考えていきたいです。
一人の人間としてクライエントと関係を築き、その関係の中で、悩みの本質がどこにあるのかを、自分なりのスタイルで聞かせてもらえるようになりたいと思います。
今のまま合格していたら
不合格になったことには、何か意味があると思うようにしたいです。
今のまま合格していたら、実際に相談に来てくださるクライエントに失礼だったのかもしれません。
もちろん、不合格だったことが悔しくないわけではありません。
合格したかったです。
しかし、この1年間を、ただ「2回不合格だった」という結果だけで終わらせたくありません。
資格を取るための面談ではなく、目の前のクライエントの自己理解を促せる面談とは、どのようなものなのか。
次の試験までに、自分なりの面談スタイルを掴みたいと思います。
今回の結果から、課題がすべて同じ重さではないことも分かりました。基本的態度や関係構築力をさらに磨きながら、特に具体的展開力を意識して練習していきます。
問題を見つけるだけで終わらず、その問題をクライエントとどのように共有するのか。クライエントが自分で進む方向を選べるように、どのような問いかけや働きかけをするのか。ロープレと実際の相談の両方を通して、考えていきたいです。
2級試験への挑戦を始めて1年。
まだ、合格には届きませんでした。
ですが、資格を欲しいと思って始めた挑戦は、自分がどのような支援者になりたいのかを考える挑戦に変わりました。
今は、この不合格も、そのために必要な過程だったと思えるようになりたいです。



