「カウンセリングとは何か」を読んで、転移について考える

この記事について
東畑開人さん著の「カウンセリング」とは何かを読んでの備忘記録です。
この本を読んで自分なりに解釈をした内容をまとめています。
これから、キャリアカウンセラーとして活動をしていこうと思っている人はとても参考になることが多いのでおすすめの一冊です。
転移について
カウンセリングにおける「転移」とは、過去の重要な人間関係で感じた感情や反応が、カウンセラーに向けられる現象です。
たとえば、親に対する気持ちが、無意識のうちにカウンセラーへの信頼・不安・怒り・恋愛感情として表れることがあります。
どうして起こるのか
転移は、今目の前の相手を「過去の誰か」と無意識に、重ねて見てしまうことで起こります。
そのため、カウンセラーの実際の言動以上に「安心できる」「否定された気がする」などの強い感情が生まれることがあります。
代表的な種類
- 陽性転移: 好意、信頼、安心感、尊敬、恋愛感情などが向く状態です。
- 陰性転移: 不信感、怒り、警戒心、拒絶感などが向く状態です。
カウンセリングでの意味
転移は「悪いこと」ではなく、その人の対人関係のパターンや心の傷を理解する手がかりになります。
うまく扱えると、治療関係を深めたり、本人が過去の関係性を整理する助けになります。
たとえば
「カウンセラーが少し冷たく感じる」と強く反応した場合、実際には昔の親しい人に感じた不安や寂しさが重なっていることがあります。
こうした反応をカウンセラーと一緒に丁寧に見ていくのが、カウンセリングの大事な作業です。
この本では、カウンセラーの東畑さんに対して、クライエントが「ずっと無能だと思っていた。あなたが可哀想だから、カウンセリングに来てあげていた」という言葉を投げつけられます。
この発言を聞いた時、私は、正直「イラッ」としてしまいました。
クライエントのことを考えて、一生懸命やってあげているのに、なぜわかってくれないのか?
と、こんな感情がありました。
よくよく考えると、この考えは、クライエントに施しをしているという、私の高い位置からの視点があることから発生していることに気づきました。
東畑さんは、この発言をクライエントから受けて冷静に分析していました。
そして、大事なメッセージがその中に隠れていること、そして、カウンセラーとして見立てが足らなかったことを把握しています。
正直、すごいなぁ。と思いました。
もし、この状況が私であれば、「イラッ」とした感情が邪魔をして、その重要なメッセージを掴み損ねていたと思います。
クライエントから投げられた暴力的な言葉を、クライエントからの攻撃を受け止め、反撃か防御をするような行動に出ていたと思います。
その行動は、自分自身を守るためで、意識の矢印がクライエントではなく、自分に向いた状態です。
このような状態では、クライエントを支援することは難しいですね。
まとめ
転移については、多く学科試験で出てきます。
しつこいくらい、転移の問題が出てきます。
なんでなんだろうと思ったのですが、カウンセリングの世界では、転移はクライエントを理解する上でとても重要な心の変化だったのだと理解しました。
勉強すればするほど、深みにハマる。
最近、そんな感じがしています。
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