【過去問分析】構成的グループ・エンカウンター(SGE)―頻出論点と学習ポイント
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SGEは周辺概念との違いから実践上の判断まで問われている
国家資格キャリアコンサルタント試験では、構成的グループ・エンカウンター(SGE)が繰り返し取り上げられています。
第26回から第32回までを確認すると、SGEそのものを扱った問題だけでなく、ベーシック・エンカウンター・グループや他のグループ・アプローチとの違い、提唱者の組み合わせを問う問題もありました。
出題内容は、単純な用語の暗記だけではありません。近年は、SGEの3つの原理、リーダーの自己開示、感情や対立が生じたときの対応など、実践場面を踏まえた判断も問われています。
調査対象と整理方法
この記事では、第26回から第32回までの国家資格キャリアコンサルタント試験の学科試験を対象としました。
SGEを問題の主題としているものを「直接出題」、選択肢の一部でSGEや関連概念に触れているものを「関連出題」として整理しています。問題文や選択肢は長く転載せず、出題内容の要点のみをまとめます。
SGEに関連する過去問一覧
| 試験回・問題 | 分類 | 主な出題内容 |
|---|---|---|
| 第26回 問36 | 関連出題 | グループ・アプローチと提唱者の組み合わせ |
| 第27回 問36 | 関連出題 | ベーシック・エンカウンター・グループとSGEの違い |
| 第28回 問36 | 直接出題 | SGEの目的、「構成」の意味、理論的背景、位置づけ |
| 第31回 問10 | 関連出題 | 心理療法・提唱者・関連用語の組み合わせ |
| 第31回 問36 | 関連出題 | SGEの開発者と他のグループ・アプローチとの区別 |
| 第32回 問37 | 直接出題 | 3つの原理、リーダーの自己開示、感情への対応、エクササイズ |
第29回と第30回では、今回の調査範囲に該当する問題は確認できませんでした。
第26回・問36―提唱者の混同に注意する
第26回の問36は、複数のグループ・アプローチと提唱者を組み合わせた問題です。SGEという名称が直接示されているわけではありませんが、國分康孝とエンカウンター・グループの関係を正しく整理しておく必要があります。
試験対策では、次の対応を区別します。
- ベーシック・エンカウンター・グループ:ロジャーズ
- 構成的グループ・エンカウンター:國分康孝
- サイコドラマ:モレノ
- Tグループ:レヴィン
SGEの内容だけを覚えるのではなく、似たグループ・アプローチの提唱者と特徴を対比しておくことが大切です。
第27回・問36―構成的と非構成的の違いを理解する
第27回の問36では、ベーシック・エンカウンター・グループが主題となりました。計画された課題を参加者が行うという説明が、ベーシック・エンカウンター・グループではなくSGEの特徴だと判断できるかがポイントです。
両者の違いは、次のように整理できます。
| 観点 | SGE | ベーシック・エンカウンター・グループ |
|---|---|---|
| 構造 | エクササイズ、人数、時間、ルールなどを設定する | 特定の課題や進行を細かく設定しない |
| 進め方 | リーダーが目的に沿った枠組みを提示する | 参加者同士の自由な交流を重視する |
| 共通点 | 自己理解、他者理解、人間関係の学びを促す | 自己理解、他者理解、人間関係の学びを促す |
「自由な話合い」と「計画されたエクササイズ」のどちらを中心とするかを見れば、区別しやすくなります。
第28回・問36―SGEの基本事項がまとめて問われた
第28回の問36は、SGEを直接扱った問題です。次の論点が一問にまとめられています。
- 「ふれあい」と「自己発見」という目的
- 「構成的」は枠を与えるという意味であること
- SGEの理論的背景
- 治療ではなく、予防的・開発的なカウンセリングとしての位置づけ
特に注意したいのが、「治療的カウンセリングの手法として考案された」という説明です。SGEは、問題や症状の治療だけを目的とするものではありません。人間関係の形成や自己理解を促す予防的・開発的なアプローチとして整理します。
第31回・問10―提唱者と関連用語の組み合わせ
第31回の問10では、心理療法の名称、提唱者、関連用語の組み合わせが問われました。
SGEとシェアリングの組み合わせ自体は正しいものの、提唱者としてバーンが示されているため、組み合わせ全体としては不適切です。バーンは交流分析の提唱者であり、SGEの代表的な提唱者は國分康孝です。
この形式の問題では、3項目のうち一部だけが正しくても、その選択肢を適切とは判断できません。理論名・提唱者・重要語句を一組で覚えておく必要があります。
第31回・問36―他のグループ・アプローチと比較する
第31回の問36は、グループ・アプローチに関する問題です。SGEについては、ロジャーズが開発したという説明の正誤が問われました。
ここでも、第26回と同様に次の区別が重要です。
- ロジャーズ:ベーシック・エンカウンター・グループ
- 國分康孝:構成的グループ・エンカウンター
さらに、グループ・アプローチの対象や目的を狭く捉えないことも必要です。グループ・アプローチは、健康な人の成長だけでなく、治療や回復支援などでも用いられます。また、人間的成長だけでなく、組織開発や課題解決を目的とする場合もあります。
第32回・問37―原理からリーダーの対応まで問われた
第32回の問37は、これまでの出題よりも具体的にSGEの実践を問う問題です。主な論点は次の4つです。
- SGEの3つの原理
- リーダーに自己開示が求められる理由
- 怒り、涙、けんかなどが生じた場合の対応
- エクササイズの心理教育的な役割
SGEの3つの原理は、「本音に気づくこと」「SGE体験の構成」「シェアリング」です。
また、リーダーの自己開示は、参加者に自己開示を強制するためのものではありません。リーダーが率直な交流のモデルとなり、参加者との心理的な距離を縮める働きがあります。
感情や対立が生じた場合も、直ちに当事者を個室へ移して個別カウンセリングを行うことが一律の原則ではありません。その場で起きていることを捉え、安全を確保しながら、グループへの介入や個別のフォローを判断します。
詳しい解説:第32回 問36〜40 解答解説
出題傾向―用語の区別から実践上の判断へ
第26回から第32回までの出題は、次の3段階に整理できます。
1.提唱者とグループ・アプローチを区別する
第26回、第31回では、SGEと國分康孝、ベーシック・エンカウンター・グループとロジャーズの対応が問われました。
2.構成的と非構成的を区別する
第27回では、計画された課題を用いるSGEと、自由な交流を重視するベーシック・エンカウンター・グループとの違いが問われました。
3.SGEの実践を判断する
第28回では目的や位置づけ、第32回では原理、自己開示、介入などが扱われています。近年の問題に対応するには、用語を覚えるだけでなく、「リーダーならどのように考えるか」まで理解する必要があります。
試験対策で優先して覚えること
SGEについては、次の順番で学ぶと整理しやすくなります。
- 目的は「ふれあい」と「自己発見」
- 代表的な提唱者は國分康孝
- 構成とは、エクササイズ、人数、時間、ルールなどの条件設定
- 3つの原理は、本音への気づき、体験の構成、シェアリング
- シェアリングでは、体験による感情や気づきを分かち合う
- 発言しない自由とエクササイズを行わない自由を守る
- リーダーはモデルとなり、必要に応じてグループへ介入する
- ベーシック・エンカウンター・グループとの違いを説明できるようにする
一問ごとの正誤を暗記するより、目的、構造、進め方、リーダーの役割を関連づけて理解する方が、表現を変えた問題にも対応しやすくなります。
まとめ
第26回から第32回までの国家資格キャリアコンサルタント試験では、SGEに関する出題を5回、計6問確認できました。
初期の問題では提唱者やベーシック・エンカウンター・グループとの区別が中心でしたが、第28回と第32回では、SGEの目的、原理、リーダーの役割、感情への対応まで問われています。
試験対策では、「國分康孝」「構成されたエクササイズ」「シェアリング」という用語だけを覚えるのではなく、参加者の自由と安全を守りながら体験を進めるというSGEの考え方を押さえることが重要です。
SGEの基本事項は、構成的グループ・エンカウンター(SGE)とは―目的・進め方・基本原則で詳しく解説しています。
参考資料
労働政策研究・研修機構(JILPT)「第12章 構成的グループエンカウンター」



