キャリアコンサルタント試験では、複数の政府統計調査の「目的」「実施主体」「頻度」を比較させる問題が定番です。

今回は問19を題材に、4つの主要な労働関連統計を整理します。

まず大前提:実施主体で2グループに分かれる

この4つの調査は、大きく厚生労働省が実施するものと、総務省が実施するものに分かれます。この所管の違いを意識するだけでも、選択肢の整理がしやすくなります。

  • 厚生労働省
    毎月勤労統計調査、雇用均等基本調査
  • 総務省
    労働力調査、就業構造基本調査

① 毎月勤労統計調査(厚生労働省)ー 正解の選択肢

目的
雇用、給与および労働時間について、全国的な変動および都道府県別の変動を明らかにすること

  • 「毎月」という名前の通り、月次で実施される調査
  • 事業所を対象に、雇用者数・賃金(給与)・労働時間の動きを継続的に把握する
  • 「全国的変動」と「都道府県別の変動」の両方を明らかにするという目的が、条文的な表現として試験に出やすいポイントです

問19の正解は、この調査でした。「雇用・給与・労働時間」×「全国・都道府県別」というキーワードのセットで覚えておくと判別しやすくなります。

② 雇用均等基本調査(厚生労働省)

目的
女性労働者の雇用管理の状況や、育児・介護休業制度の普及・利用状況等を把握すること

  • 名称にある「均等」がヒントで、男女の雇用機会均等に関連するテーマ、特に女性の活躍状況や、育児・介護休業制度の企業における導入・利用実態を調べる調査
  • 「賃金・労働時間の全国的変動」を明らかにする毎月勤労統計調査とは、目的がまったく異なる点に注意

③ 就業構造基本調査(総務省)

目的
国民の就業・不就業の構造や実態を明らかにすること

  • 5年ごとに実施される、大規模な調査
  • 毎月勤労統計調査のような「事業所」ベースではなく、個人(世帯)を対象に、就業状態、就業異動、副業の状況など、就業構造を詳細に把握する
  • 「毎月」ではなく「5年に一度」という頻度の違いも、判別の重要な手がかりになります

④ 労働力調査(総務省)

目的
就業者・完全失業者などの就業状態(完全失業率等)を明らかにすること

  • こちらも毎月実施される調査ですが、実施主体は総務省
  • 世の中でよく報道される「完全失業率」は、この労働力調査から算出されています
  • 「毎月」という頻度が共通するため、厚生労働省の毎月勤労統計調査と混同しやすいのが最大の注意点です

4調査の整理表

調査名実施主体頻度主な目的・対象
毎月勤労統計調査厚生労働省毎月雇用・給与・労働時間の全国的/都道府県別変動(事業所対象)
雇用均等基本調査厚生労働省年1回女性雇用管理の状況、育児・介護休業制度の利用状況
就業構造基本調査総務省5年ごと国民の就業・不就業の構造(個人・世帯対象)
労働力調査総務省毎月就業者・完全失業者数、完全失業率(個人対象)

混同しやすいポイントの整理

この分野で特にひっかけやすいのが、以下の2点です。

  1. 「毎月勤労統計調査」と「労働力調査」
    どちらも毎月実施される点は共通しますが、実施主体(厚労省 vs 総務省)と対象(事業所 vs 個人)、そして明らかにする内容(賃金・労働時間 vs 就業者数・失業率)が異なります
  2. 「就業構造基本調査」と「労働力調査」
    どちらも総務省が実施し、就業に関する調査という点は共通しますが、頻度(5年ごと vs 毎月)と調査の粒度(構造の詳細把握 vs 毎月の速報的把握)が異なります

覚え方のコツ

  • 「賃金・労働時間」→ 毎月勤労統計調査(厚労省)
  • 「完全失業率」→ 労働力調査(総務省)
  • 「女性雇用管理・両立支援制度の状況」→ 雇用均等基本調査(厚労省)
  • 「5年に一度の詳細な就業構造」→ 就業構造基本調査(総務省)

「何を明らかにしたい調査なのか」というキーワードと、実施主体・頻度をセットにして覚えることで、この手の比較問題に安定して対応できるようになります。

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