休暇・休業に関する基礎知識を整理する(国キャリ/第32回/問25詳細解説)
今回は、労働基準法・育児介護休業法に定められた休暇・休業制度のうち、試験で狙われやすい4つのポイントを取り上げます。「有給か無給か」「対象範囲」「強制力の有無」という3つの視点で整理すると、理解が進みます。
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① 生理休暇:有給化の義務はない
労働基準法第68条は、生理日の就業が著しく困難な女性労働者が休暇を請求した場合、使用者はその者を就業させてはならない、と定めています(生理休暇)。
ここでの注意点は、この休暇中の賃金を「有給」とするかどうかは、法律で義務づけられていないという点です。有給とするか無給とするかは、各企業の労使間の取り決め(就業規則等)に委ねられています。「休暇の取得を認めること」と「その間の賃金を保障すること」は、別の話であるという整理が重要です。
② 子の看護等休暇:対象は「病気・怪我」だけではない
育児・介護休業法上の「子の看護等休暇」は、以前は子の病気や怪我の際の看護を主な対象としていましたが、法改正により、対象範囲が拡大されています。
現在では、以下のような場面でも取得が可能です。
- 子の病気・怪我の看護
- 予防接種、健康診断への同行
- 入園式・卒園式・入学式などの学校行事への参加
「看護」という言葉のイメージから、病気・怪我の場面に限定されると誤解しがちですが、子どもの成長に関わる行事等にも活用できる、より柔軟な制度へと拡充されている点を押さえておきましょう(あわせて、名称も「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」に変更されています)。
③ 産後休業:本人の意向にかかわらない「絶対的休業」
労働基準法第65条は、産後8週間について、女性を就業させることを制限しています。この中でも、特に産後6週間以内については、扱いが極めて厳格です。
産後6週間以内の女性については、本人が「働きたい」と請求したとしても、使用者は絶対に就業させてはならない
これは、他の多くの休暇・休業とは異なり、本人の意思にかかわらず強制的に休ませなければならない「絶対的休業期間」である点が最大の特徴です。母体保護という強い政策目的から、労働者本人の希望よりも優先される、数少ない規定の一つといえます。
なお、産後6週間を超え、8週間未満の期間については、本人が請求し、かつ医師が支障ないと認めた場合に限り、就業させることが可能です。「6週間以内は絶対にダメ」「6週間超〜8週間未満は、本人の請求+医師の判断があればOK」という、段階的な規制になっている点を正確に押さえておきましょう。
④ 産前休業:本人の「請求」があって初めて休業させる義務が生じる
産後休業とセットで問われやすいのが産前休業です。こちらは、産後休業とは性質が異なります。
- 出産予定日の6週間以内(多胎妊娠の場合は14週間以内)の女性が、休業を請求した場合に、使用者は休業させなければならない
- 逆にいえば、本人が休業を請求しない限り、使用者は就業させることができる
つまり、産前休業は「本人の請求」があって初めて発生する休業であり、産後6週間のような「本人の意思にかかわらず強制的に休ませる」規定とは、性質が根本的に異なります。この産前(本人の請求が起点)と産後6週間(強制的・絶対的)の非対称性は、試験で繰り返し狙われる重要ポイントです。
4つの制度の整理表
| 制度 | 対象・タイミング | 本人の意思との関係 | 有給・無給 |
|---|---|---|---|
| 生理休暇 | 生理日の就業が著しく困難なとき | 本人の請求が起点 | 法律上の有給化義務なし(労使の取り決め) |
| 子の看護等休暇 | 病気・怪我の看護、予防接種、学校行事等 | 本人の請求が起点 | 制度・企業により異なる |
| 産前休業 | 出産予定日前6週間(多胎14週間) | 本人が請求した場合に休業義務発生 | 制度・企業により異なる |
| 産後休業(6週間以内) | 出産後6週間以内 | 本人の意思にかかわらず就業禁止(絶対的) | 制度・企業により異なる |
| 産後休業(6週超〜8週未満) | 出産後6週間超8週間未満 | 本人請求+医師の許可があれば就業可 | 制度・企業により異なる |
覚え方の軸:「本人の意思が起点」か「本人の意思を超えて強制」か
この分野を一括りに「休暇・休業の制度」として覚えようとすると混乱しやすいですが、次の軸で整理すると理解が進みます。
- 生理休暇・子の看護等休暇・産前休業:いずれも本人が請求することが休業(休暇)発生の起点
- 産後6週間以内:唯一、本人の意思を超えて、法律が強制的に就業を禁止する特別な期間
この「起点が本人の請求にあるか、それとも法律による強制か」という違いを軸にすることで、選択肢の細かいひっかけ(「本人が請求すれば就業できる」「本人が請求しなくても休ませなければならない」等の入れ替え)に対応しやすくなります。
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