キャリアコンサルタント試験では、リカレント教育(社会人の学び直し)を支援するための公的な認定制度・ポータルサイトが頻出テーマです。

名称が似ていたり、所管省庁が入り組んでいたりするため、混同しやすい分野でもあります。今回は問13を題材に、4つの制度・サイトを整理します。

まず全体像:なぜこんなに制度が乱立しているのか

日本の「学び直し支援」は、単一の省庁が一元的に行っているわけではなく、文部科学省・厚生労働省・経済産業省がそれぞれの管轄領域から支援制度を設けているという構造になっています。

  • 文部科学省:大学等の「教育機関」としての質を認定する立場
  • 厚生労働省:雇用保険の教育訓練給付金など、「労働者への給付」を所管する立場
  • 経済産業省:産業競争力強化やデジタル人材育成など、「産業政策」の観点からの人材育成

この構造を頭に入れておくと、「なぜこの制度は厚労省じゃないのか」という試験のひっかけに惑わされにくくなります。

① 職業実践力育成プログラム(BP:Brush up Program for professional)

所管:文部科学大臣

  • 大学・大学院・短期大学・高等専門学校が開設する、社会人向けの実践的・専門的なプログラムを文部科学大臣が認定する制度
  • 「BP」という略称は、Brush up Programの頭文字から
  • 大学等の教育の質を国が保証する、という文脈の制度であるため、所管は文部科学省

選択肢1では、これを「厚生労働大臣」が認定するとした点が誤りでした。大学等の教育プログラムの認定=文部科学省という対応関係を押さえておきましょう。

② 第四次産業革命スキル習得講座認定制度(Reスキル講座)

所管:経済産業大臣

  • IT・データサイエンス等の専門的・実践的な教育訓練講座を経済産業大臣が認定する制度
  • 「第四次産業革命」というネーミングの通り、AI・IoT・ビッグデータといった、産業構造の転換を担う人材育成という産業政策的な位置づけの制度
  • 認定された講座は、後述する教育訓練給付金の対象講座になることもあります

選択肢2は、これを「厚生労働大臣」認定としていた点が誤りでした。デジタル・IT分野の実践講座=経済産業省という対応も、あわせて覚えておくと良いでしょう。

③ マナパス

運営:文部科学省

  • 社会人の学びを応援する、文部科学省開設のポータルサイト
  • 大きな特徴は、正規課程(学位が取得できるコース)も含めて、大学・大学院・専門学校など、多様な学びのプログラム情報を横断的に検索できる点
  • 「①のBP」がプログラムそのものの認定制度であるのに対し、「マナパス」はそうしたプログラムを含む学びの情報を集約した検索用ポータルサイトという違いがあります。「制度」と「検索サイト」という役割の違いを意識すると整理しやすくなります

④ マナビDX(正解の選択肢)

関連:経済産業省・IPA(情報処理推進機構)

  • デジタル関連の知識・スキルを身につけるためのポータルサイト
  • 経済産業省やIPAが策定したスキル標準(DSS-P:デジタルスキル標準 など)に対応した講座を検索・学習できる
  • 「マナパス」が大学等の学びを幅広くカバーするのに対し、「マナビDX」はデジタル分野に特化したポータルサイトという違いがあります

4制度の整理表

名称種別所管・関連機関分野
職業実践力育成プログラム(BP)認定制度文部科学大臣大学等の社会人向け実践プログラム全般
Reスキル講座認定制度認定制度経済産業大臣IT・データサイエンス等
マナパスポータルサイト文部科学省大学等の学び全般(正規課程含む)
マナビDXポータルサイト経済産業省・IPAデジタル分野特化

覚え方のコツ

  • 「大学等の教育プログラムの中身」を認定 → 文部科学省(BP)
  • 「産業界で必要なデジタル系スキル講座」を認定 → 経済産業省(Reスキル講座)
  • 検索サイトは「幅広い学び全般=マナパス(文科省)」「デジタル特化=マナビDX(経産省)」とペアで覚える

「認定制度」なのか「検索ポータル」なのかという役割の軸と、「文科省」「経産省」という所管の軸の、2つの軸で整理すると、この分野の問題に強くなります。

試験では、所管省庁を入れ替えるひっかけ(選択肢1・2のパターン)が定番なので、要注意です。