日本の総務省統計局が実施している「労働力調査」における定義。これらの用語はそれぞれが独立しているのではなく、「15歳以上人口」を起点としたツリー構造(階層関係)になっています。

全体像

まずは、全体像がひと目でわかる関係図から確認しましょう。

15歳以上人口
 ├── 労働力人口(働く意志と能力がある人)
 │    ├── 就業者
 │    │    ├── 従業者(調査週間に1時間以上収入を伴う仕事をした人)
 │    │    └── 休業者(仕事は持っているが、病気や休暇などで休んでいる人)
 │    └── 完全失業者(仕事がなくて、探していて、すぐ就ける人)
 └── 非労働力人口(通学、家事、高齢などで仕事をしていない・探していない人)

それぞれの定義をシンプルにまとめました。

各用語の定義

1. 15歳以上人口

日本国内に住む常住人口のうち、15歳以上のすべての人のことです。労働力統計の「すべてのベース」となる数字です。

2. 労働力人口

15歳以上人口のうち、「働く意志と能力を持って、現に就業しているか、あるいは就業しようとしている人」の合計です。

計算式: 労働力人口 = 就業者 + 完全失業者

3. 就業者

調査週間(毎月末の1週間)に、少しでも仕事をした人、または仕事は持っているが休んでいた人のことです。

後述の「従業者」と「休業者」を合わせたものです。

4. 従業者

就業者のうち、調査週間に実際に1時間以上、収入を伴う仕事をした人のことです(自営業の家族が手伝った無給の「家族従業者」も含みます)。

5. 休業者

就業者のうち、仕事(雇用契約や自営の事業)は持っているものの、調査週間中に少しも仕事をしなかった人のことです。

  • 雇用者の場合: 給料をもらっている、またはもらう予定がある場合。
  • 自営業の場合: 休み始めてから30日未満の場合。※病気、休暇、会社の都合(休業)などがこれに該当します。

6. 完全失業者

仕事をしていない人のうち、以下の3つの条件をすべて満たす人のことです。

  1. 調査週間中に、少しも仕事をしなかった(就業者ではない)。
  2. 仕事があればすぐにつくことができる
  3. 調査週間を含めた過去1ヶ月間に、アクティブに仕事を探していた(求職活動をしていた)、または結果を待っていた。

7. 非労働力人口

15歳以上人口のうち、「労働力人口」に含まれないすべての人のことです。

主に、通学(学生)、専業主婦・主夫(家事)、高齢者、あるいは病気などで働くことができない・探していない人がここに入ります。

試験や分析でよく使われる重要指標

これらの関係性を理解していると、ニュースや試験でよく見る指標の仕組みがすっきり分かります。

  • 完全失業率 = ( 完全失業者 ÷ 労働力人口 ) × 100
    ※「15歳以上人口」や「非労働力人口」は分母に含まれないのがポイントです。
  • 労働力人口比率(労働力率) = ( 労働力人口 ÷ 15歳以上人口 ) × 100
このツリー構造(15歳以上人口 > 労働力人口 > 就業者 > 従業者・休業者)を頭に入れておくと、それぞれの定義が混ざらずに整理しやすくなります。