高年齢雇用継続給付の概要
高年齢雇用継続給付は、60歳以降も働き続ける高年齢者の生活を支え、企業の人材確保を促進するために設けられた雇用保険の給付制度です。主に、定年後の賃金低下を補う目的で支給されます。
種類
- 高年齢雇用継続基本給付金
60歳以降も同じ会社で雇用され続ける場合に、賃金が60歳到達時の75％未満に低下したとき支給されます。 - 高年齢再就職給付金
60歳以降に一度離職し、雇用保険の基本手当（失業給付）を受給した後、再就職して賃金が60歳時点の75％未満に低下した場合に支給されます。
支給対象者
- 60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者
- 雇用保険の被保険者期間が通算5年以上
- 60歳以降の賃金が60歳時点の75％未満に低下していること
支給期間
- 高年齢雇用継続基本給付金：60歳到達月から65歳到達月まで（最長5年間）
- 高年齢再就職給付金：最長2年間（失業給付の残日数に応じて変動）
支給額
- 賃金低下率に応じて支給額が決まります。
- 2025年4月以降、支給率が段階的に縮小され、賃金が60歳時点の64％以下に低下した場合は賃金の10％、64％超75％未満の場合は10％未満となります。
申請方法
- 原則として雇用主（企業）が申請手続きを行います。
- 必要書類や手続きはハローワークを通じて行います。
制度の背景
- 2021年4月の法改正で、企業は65歳までの雇用確保が義務化されました。
- 厚生年金の支給開始年齢引き上げも背景にあり、60歳以降の生活安定策として導入されました。
注意点
- 年金との併給調整があり、在職老齢年金の支給停止や減額の対象となる場合があります。
- 制度は今後も見直しが予定されており、最新情報の確認が必要です。
まとめ
高年齢雇用継続給付は、60歳以降も働き続ける人の賃金低下を補う雇用保険の給付制度で、企業と本人双方にとって重要な役割を果たしています。支給条件や金額、手続き方法などは法改正によって変動するため、最新の情報を確認することが大切です。
