この記事について
第33回 キャリアコンサルティング技能検定 2級学科試験 回答解説を作成しました。
解答は出ていますが、解説がなかったので、自分で解答解説作成しました。
もしかしたら、間違えがあるかもしれませんが参考にしてください。
問6
正解は1
1.不適切
ギンズバーグ(Ginzberg, E.)は当初、職業選択のプロセスを非可逆的(不可逆的)であると考えていました。しかし、後に理論を修正し、職業選択のプロセスは後戻りも可能であるとしました。ただし、時間や経費などの損失を受けるとしています。また、「将来に対する不確実性を積極的に受け入れることの重要性」は、ジェラットについての記述。
2.適切
レビンソン(Levinson, D. J.)は、成人の心理社会的発達が生活構造の安定期(生活構造が築かれる時期)と過渡期(生活構造が変化する時期)の連続的反復過程であることを実証しました。この考え方は、人生の流れを「安定期」と「過渡期」の交互の繰り返しとして捉えています。
3.適切
エリクソン(Erikson, E. H.)は、人間の一生を8つの発達段階に分けて心理社会的発達理論を提唱しました。これらの段階は、「乳児期」、「幼児前期」、「幼児後期」、「学童期」、「青年期」、「成人前期」、「成人期」、「老年期」と呼ばれています。
4.適切
スーパー(Super, D. E.)は、ビューラーの生活段階、ハビガーストの発達課題、ギンズバーグの発達理論などそれまでの発達理論を整理し、職業的発達理論をまとめました。これにより、スーパーは職業発達理論を現在のような形に完成させた代表的な理論家として知られています。
問7
正解は4
1.不適切
現実的職業領域(R)は、人と接したり奉仕したりする仕事ではありません。実際には、物や道具、機械を扱うことを好み、秩序や組織的な活動を好む領域です。技術関係の仕事に向いているとされています。
2.不適切
企業的職業領域(E)は、機械や物体を対象とする具体的で実際的な仕事の領域ではありません。企業的タイプは、リーダーシップを取り、目標達成を好みます。説得を得意とし、野心的な活動を好む傾向があります。
3.不適切
社会的職業領域(S)は、研究や調査のような研究的、探索的な仕事の領域ではありません。社会的タイプは、対人関係を大切にし、教育や人の援助などの仕事を好みます。社会的な活動にも積極的な傾向があります。
4.適切
慣習的職業領域(C)は、定まった方式や規則を重視し、それに従って行う仕事や活動の領域です。慣習的タイプは、データなどの情報を体系的にまとめるのが得意で、責任感があり、緻密な活動を好む傾向があります。慣習的環境では、整理や計画など明確で順序だった仕事が多いとされています。
問8
正解は1
1.適切
精神分析では、心をイド(エス)、自我、超自我の3つの領域に分けて考えます。イド(エス)は無意識の領域で、欲求や衝動が存在する部分です。自我は、イドからの欲求を現実の環境に適応させるよう調整する役割を果たします。つまり、自我はイドの欲求を満たすために、現実の環境との調整を行っているのです。
2.不適切
精神分析では、心の問題は無意識的な葛藤から生じると考えますが、「昇華」という表現は適切ではありません。昇華は防衛機制の一つで、社会的に受け入れられる形で欲求を表現することを指します。正しくは、耐えられない体験が「抑圧」され、それが無意識的な葛藤を引き起こすと考えます。
3.不適切
エディプス・コンプレックスは、フロイトが提唱した概念で、兄弟姉妹に対する劣等感ではありません。エディプス・コンプレックスは、子どもが異性の親に対して性的な愛着を感じ、同性の親に対して敵意や競争心を抱く無意識的な心理状態を指します。
4.不適切
転移とは、クライエントが過去に重要な他者(多くの場合は両親)に対して抱いた感情や対人関係パターンを、現在の対人関係、特に治療者(セラピスト)に向けることを指します。自身の内面に向けるのではなく、現在の対人関係に向けるという点が重要です。
問9
正解は3
1.不適切
アサーションは相手を思い通りに動かすためのスキルではありません。むしろ、相手の意見や立場を尊重しながら、自分の意見を適切に伝えることを目的としています。アサーションは相手をコントロールするのではなく、相互理解を促進するコミュニケーション手法です。
2.不適切
アサーションをする上で、自尊感情を持つことは阻害要因ではなく、むしろ重要な要素です。アサーションは自分も相手も大切にする自己表現であり、自己尊重と他者尊重のバランスを取ることが重要です。自尊感情は適切な自己表現の基盤となります。
3.適切
アサーションの根底には、表現することを基本的人権として大切にしようとする理念があります。これは「アサーション権」と呼ばれ、誰もが他者の権利を侵害しない限り自分の考えや気持ちを表明する権利があるという考え方に基づいています。アサーションは、自分も相手も大切にする自己表現方法であり、相互の関係性を重視した自他尊重のコミュニケーションを目指しています。
4.不適切
アサーションにおいては、自分本位であることは重要ではありません。むしろ、自分と相手の双方を尊重しながら、適切に自己表現することが重要です。アサーションは、自己中心的な主張ではなく、双方が納得できる対話を目指すスキルです。
問10
正解は4
1.不適切
セルフ・キャリアドックは、2016年に施行された改正職業能力開発促進法により、企業に対して従業員へのキャリア支援を行う努力義務が設けられました。しかし、法律で義務付けられているわけではありません。企業の規模に関わらず、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する取り組みとして推奨されています。
2.不適切
人材開発支援助成金は、2024年現在、「人材育成支援コース」「教育訓練休暇付与コース」「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」「建設労働者認定訓練コース」「建設労働者技能実習コース」の6コースが存在します。「障害者職業能力開発コース」は2023年度で廃止され、2024年4月からは障害者雇用納付金制度による「障害者能力開発助成金」へと移行しましたが、他のコースは継続しています。
3.不適切
キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者(有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者など)の企業内でのキャリアアップを促進するために、正社員化や処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成するものです。正規労働者は対象外であり、非正規雇用労働者の雇用安定と処遇改善に焦点を当てた制度です。
4.適切
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)は、安定的な就職が困難な求職者を、ハローワーク等の紹介により、原則3か月間の試行雇用(トライアル雇用)を行う事業主に対して助成するものです。このコースは、職業経験の不足等により就職が困難な求職者を一定期間雇用し、その適性や能力を見極め、その後の常用雇用への移行を目的としています。支給対象者1人につき月額4万円(一部条件で5万円)が最長3か月間支給されます。
2級技能士試験 第33回 問1から50解説リンク集
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