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この記事について
理論を勉強していくと、「今ここ」を重視する考え方が複数あることに気づきました。
ゲシュタルト療法、実存療法、現実療法です。
今回は、「今ここ」を視点にした違いを整理していきます。
余談ですが、「今ここ」と近い考え方の「あるがまま」を重視する森田療法もあります。
「今ここ」を重視した3つの療法の整理
「今ここ(Here and Now)」を重視する現実療法(リアリティセラピー)、実存療法、ゲシュタルト療法は、それぞれアプローチや目的に違いがあります。
以下に、「今ここ」の視点から3つの療法を整理します。
療法名 | 「今ここ」の重視の仕方 | 目的・特徴 | 具体的なアプローチ |
---|---|---|---|
現実療法 (リアリティセラピー) | 過去や他人ではなく、「今ここ」で自分ができること、選択できることに焦点を当てる。 | クライエントが現実的で責任ある行動を「今ここ」で選択し、より良い人生を築くことを目指す。 | クライエントが現在の行動や選択に目を向け、自分の人生のコントロールを取り戻すことを重視。過去の出来事や他人の責任ではなく、今の自分の行動に責任を持つことを促す。 |
実存療法 | 「今ここ」に生きることを通じて、自分の存在や人生の意味、選択の自由と責任に主体的に向き合う。 | 人生の根本的な問い(生きる意味、死、自由、孤独など)に「今ここ」で向き合い、主体的な選択を支援する。 | クライエントが「今ここ」で自分の存在や人生の意味を問い直し、自由と責任を自覚して生きることを促す。過去や未来も含めて「今ここ」での自分の在り方を探求する。 |
ゲシュタルト療法 | 「今ここ」での体験や感情、身体感覚に強く意識を向け、その瞬間の気づきを重視する。 | 現在の体験に気づくことで自己統合や成長を目指す。過去や未来に囚われず、「今ここ」での気づきを通じて変容を促す。 | セッション中の感情や思考、身体感覚をその場で表現し、体験的なワーク(例:エンプティチェア)を通じて自己理解を深める。現象学的・実存主義的アプローチを基盤とする。 |
補足
- 現実療法は「今ここで自分が何を選択できるか」に実践的に焦点を当て、問題の原因追及よりも現実的な行動変容を重視します。
- 実存療法は「今ここ」を人生の根本的な意味や選択の場として捉え、哲学的・主体的な問いかけを強調します。
- ゲシュタルト療法は「今ここ」の体験そのものに深く入り込み、気づきや自己統合を体験的に促す点で、最も「今ここ」の体験自体に重きを置く療法です。
まとめ
3つの療法はいずれも「今ここ」を重視しますが、
- 現実療法は「今ここでできる行動の選択」
- 実存療法は「今ここでの存在や意味への問い」
- ゲシュタルト療法は「今ここでの体験と気づき」
というように、それぞれのアプローチや目的に違いがあります。
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