この記事について

時々、出題される岡本裕子のアイデンティティの螺旋的発達モデルについてまとめました。

頻出というレベルではないですが、選択肢の1つとして出題されている理論ですので押さえておくと良いと思います。

アイデンティティの螺旋的発達モデル

螺旋的発達モデルとは、同じテーマや課題に何度も立ち戻りながらも、少しずつ視点を高めて深い理解へと進み、自分の核となるアイデンティティを更新し続ける発達の概念です。

岡本裕子が成人期のアイデンティティ発達を説明するために提唱したモデルで、発達は直線的な階段のようなものではなく、らせん階段を上るように螺旋的に進行するとされます。

特徴

  • アイデンティティの安定と揺らぎ(危機)が繰り返される。
  • 危機を契機に主体的な問い直しや模索が行われ、新たな理解で統合・安定が生まれる。
  • 安定は完全な終わりではなく、再び揺らぎが起きてさらに高いレベルへ成長していく。
  • 成人期や中年期など人生の転換点で何度も起こる現象である。
  • らせんの1周は過去の自分と似ているようでいて、より高い視座・成熟を伴う新たな段階である。

一言で言えば、人は生涯にわたって「自分とは何者か」という問いに繰り返し向き合いながら、段階的により深い自己理解と成熟を果たし続ける、という観点です。

岡本裕子のアイデンティティの再体制化理論と密接に関連し、成人期の発達を理解する重要な枠組みとされています。

螺旋的発達モデルの主要な構成要素

  1. 揺らぎ・違和感の芽生え(安定が崩れる)
  2. 探索(問い直しや模索)
  3. 再定義(納得のいく答えを構築)
  4. 統合・安定(ひとまずの自分を確立)
  5. 再び揺らぎが起こる(次の発達段階への入口)

この構成要素は、人生の転換点や環境変化、役割変化の際に繰り返されるプロセスで、安定が崩れて問い直しが起きることが成長のきっかけとなり、螺旋状に高いレベルで自己理解と成熟が深まっていきます。

発達には自己の内的発達軸と他者との関係性の軸があり、両者が互いに影響しあいながら発展します。

「危機 → 再生 → 再体制化(再統合)」

岡本祐子のラセン式発達モデルにおける過程は、「危機 → 再生 → 再体制化(再統合)」の三段階で表されることが多いです。

具体的には、

  • 「危機」…自分のアイデンティティが揺らぎ、安定が崩れる状態。
  • 「再生」…自己探索や問い直し、模索の段階で、新たな意味づけを試みる。
  • 「再体制化(再統合)」…再び自己の理解と統合を図り、新しい安定状態を確立する。

このサイクルを螺旋的に繰り返しながら、より深い自己理解と成熟へと発達していくという構造です

まとめ

レビンソンの「人生半ばの過渡期」や、ユングの「人生の正午」の中年期で起きる変化の重要性を説いたモデルです。

キャリコンの勉強を始めるまでは、ここまで中年期が大事な年代であることを知りませんでした。

30代後半から、40代は人生にとって大事な時期なんですね。

この記事が良いと思ったrた
↓❤️クリックをお願いします。ブログ運営の励みになります。