公共職業訓練(離職者訓練)と求職者支援訓練の違い|対象者・費用・給付を比較
「公共職業訓練(離職者訓練)」と「求職者支援訓練」は、どちらも就職に必要な知識や技能を身につけるためのハロートレーニングです。
混同しやすいのは、主な対象者と生活支援の仕組みです。
- 公共職業訓練(離職者訓練):主に雇用保険を受給している求職者が対象
- 求職者支援訓練:主に雇用保険を受給できない求職者などが対象
ただし、訓練を受講できることと、訓練中の給付を受けられることは別に判断されます。本記事では、両訓練の違いを試験対策にも使える形で整理します。
本記事は2026年9月13日時点の制度に基づいています。実際に利用する場合は、住所地を管轄するハローワークで最新の要件を確認してください。
Contents
まず押さえること
ハロートレーニングは、仕事を探している人を対象とする公的な職業訓練の呼称です。
求職者向けのハロートレーニングには、離職者向けの公共職業訓練と求職者支援訓練があります。
一方、「公共職業訓練」という言葉は離職者訓練だけを指すものではありません。
在職者や高等学校卒業者などを対象とする訓練も含まれます。
本記事では、求職者支援訓練との比較対象を、公共職業訓練のうち離職者向けの訓練に限定します。
二つの訓練の比較
| 比較項目 | 公共職業訓練(離職者訓練) | 求職者支援訓練 |
|---|---|---|
| 主な対象者 | 雇用保険を受給している求職者 | 雇用保険を受給できない求職者、一定額以下の収入で働く人など |
| 制度上の位置づけ | 公共職業訓練の一つ | 求職者支援制度に基づく認定職業訓練 |
| 主な実施方法 | 国・都道府県・JEED等の施設内訓練や、都道府県から民間機関等への委託訓練 | 認定を受けた民間教育訓練機関等が実施 |
| 訓練期間 | 概ね3か月~2年 | 原則2か月~6か月 |
| 受講料 | 原則無料。テキスト代等は自己負担 | 原則無料。テキスト代等は自己負担 |
| 生活支援 | 雇用保険の受給資格や受講指示等に応じて給付を受けられる場合がある | 支給要件を満たせば職業訓練受講給付金を受けられる |
| 申込み・相談 | ハローワーク | ハローワーク |
公共職業訓練(離職者訓練)
主な対象者
主に雇用保険を受給している求職者を対象とします。再就職に必要な職業スキルや知識を身につけるための訓練です。
ここでいう離職者訓練は、公共職業訓練の一部です。公共職業訓練全体には、在職者や高等学校卒業者などを対象とする訓練もあります。
実施方法
JEEDの職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)や都道府県の職業能力開発施設などで行われる施設内訓練があります。また、都道府県が民間教育訓練機関等へ委託して実施するコースもあります。
「公共職業訓練だから、すべて公共施設で直接実施される」とは限りません。
受講料と訓練期間
離職者向けの公共職業訓練は原則として受講料無料ですが、テキスト代等は自己負担です。訓練期間は概ね3か月から2年で、コースによって異なります。
訓練中の生活支援
雇用保険の受給資格がある人は、要件に応じて雇用保険の給付を受けながら訓練を受講できる場合があります。ただし、訓練を受講する人全員に同じ給付が行われるわけではありません。
求職者支援訓練
主な対象者
主に雇用保険を受給できない求職者を対象とします。具体的には、次のような人が想定されています。
- 雇用保険の適用がなかった離職者
- 雇用保険の受給が終了した人
- フリーランスや自営業を廃業した人
- 一定額以下の収入で働きながら、正社員への転職などを目指す人
受講するには、ハローワークへ求職申込みを行い、職業訓練による支援が必要と認められることなどの要件があります。
実施方法
求職者支援訓練は、求職者支援制度に基づく認定職業訓練です。民間教育訓練機関等が訓練計画を申請し、認定基準に適合するものとして認定を受けて実施します。
「民間機関が実施するから有料」「ハローワークから委託を受けて実施する」という理解は正確ではありません。
受講料と訓練期間
受講料は原則無料ですが、テキスト代等は自己負担です。訓練期間は原則2か月から6か月です。
職業訓練受講給付金
一定の支給要件を満たす場合は、訓練期間中に職業訓練受講給付金を受けられます。給付金は、次の手当で構成されます。
- 職業訓練受講手当:月10万円
- 通所手当:訓練施設へ通所するための所定額
- 寄宿手当:通所のために別居して寄宿する必要がある場合の所定額
収入、世帯収入、金融資産、出席状況などの支給要件があります。受講要件を満たしても、給付金の支給要件を満たすとは限りません。
反対に、給付金の支給要件を満たさない場合でも、受講要件を満たせば無料の職業訓練を受講できます。
共通する受講までの流れ
離職者訓練と求職者支援訓練は、どちらもハローワークが主な相談・申込窓口です。基本的には次の流れで進みます。
- ハローワークで求職申込みと職業相談を行う
- 希望職種や職業経験を踏まえて、訓練の必要性を確認する
- 希望する訓練へ申し込む
- 訓練実施機関による選考を受ける
- 合格後、ハローワークから受講あっせんを受ける
希望すれば必ず受講できるわけではなく、訓練の必要性の確認や選考があります。
試験対策で混同しやすいポイント
主な対象者は逆にしない
公共職業訓練のうち離職者訓練は、主に雇用保険を受給している求職者が対象です。求職者支援訓練は、主に雇用保険を受給できない求職者が対象です。
民間機関が実施しても原則無料
求職者支援訓練は民間教育訓練機関等が実施しますが、受講料は原則無料です。実施主体が民間であることと、受講料が有料であることを結びつけないようにします。
受講と給付を分ける
訓練を受講できるかどうかと、訓練中に給付を受けられるかどうかは別の判断です。求職者支援訓練を受講する人が、全員一律に月10万円を受け取れるわけではありません。
まとめ
離職者向けの公共職業訓練と求職者支援訓練は、主な対象者が異なります。
- 雇用保険を受給している求職者は、主に公共職業訓練(離職者訓練)
- 雇用保険を受給できない求職者などは、主に求職者支援訓練
ただし、実際の受講可否や給付の支給可否は、個別の要件に基づいて判断されます。制度の利用を検討するときは、自分だけで判断せず、ハローワークで確認することが大切です。
参考資料
厚生労働省「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」
2級キャリアコンサルティング技能検定を軸に、過去問の出題傾向を分析したオリジナル予想問題50問を作成しました。
国家資格キャリアコンサルタント試験とも出題範囲が重なる部分が多いため、国家試験の学科対策にも活用できます。
過去問を一通り解き終え、初見問題で実力を確認したい方はぜひご活用ください。



