2級の論述で、問2に何を書けばよいか迷っていました。

かける時もあれば、全然書けない時もあったり。自己採点もいまいち、点数は伸びませんでした。

「自己理解不足」「仕事理解不足」という言葉は浮かぶものの、それがこの相談者の何を指すのか、なぜ判断できずにいるのかを説明しきれていませんでした。

答案の添削とAIとの対話を通じて、練習の軸にしたいと思ったのが、「本人の希望→判断・行動を妨げていること→その影響」を一組にする方法です。

この記事では、私のつまずきと、短い架空事例を使った考え方を紹介します。公式の解法や採点基準ではなく、根拠から見立てを組み立てるための学習上の整理方法です。

問2で、本人に足りないものを探していた

これまでの答案では、本人が特定の仕事を希望していることから、視野の狭さや自己理解の不足へ話を進めてしまう記述がありました。

しかし、希望には、それまでの経験や大切にしたいことが表れています。その希望だけを根拠に「理解が足りない」と評価するのは飛躍だとAIから指摘をもらいました。

振り返って考えると、確かにそうだと思います。

本人が既に考えたこと、調べたことも、出発点として捉える必要があります。

第36回の公式問題では、問1で相談したかったこと、問2でCCとして考える相談者の問題が問われています。問2では、訴えの要約から一歩進め、何が困り方に関わっていると考えるかを説明したいところです。

同回の公式講評にも、定型的な枠組みへの当てはめにより、相談者の気持ちを見過ごす記述への指摘があります。ただし、受検者全体への講評であり、私の答案を直接評価したものではありません。

まず「希望・妨げ・影響」を一組作る

私が練習するときは、次の三つを短いメモに分けます。

見るところ自分に問いかけること
希望本人は何を望み、何を大切にしているか
妨げ何が、その実現や判断・行動を難しくしているか
影響そのため、何を比べられない、決められない、進められないのか

例えば「自信がない」だけで止めず、何について自信を持てず、それがどの判断に関わっているかまで考えます。

「妨げ」は本人の考え方だけではありません。仕事の条件、家族との調整、利用できる支援なども対象です。葛藤する二つの希望を持つこと自体を問題とせず、両方を大切にするうえで何が難しくなっているかを捉えます。

これは考えるための補助線です。どの事例にも同じ原因を当てはめたり、必ずこの順番の文章で書いたりする方法ではありません。

メモには根拠発言も加える

上記の3つについてメモを書く練習をするときは、必ず、それがCLのどの発言からかをメモに加えるといいと思います。

これをすることで、根拠が曖昧なまま回答を作成することが減り、論理の飛躍を防ぐことができます。

書いたメモに(CL4)などの逐語の番号を書くといいと思います。

短い事例で、一組を作ってみる

以下は、考え方を説明するための独自の架空事例です。公式問題の再現や、試験と同じ分量の模擬問題ではありません。

相談者は、総務の仕事を7年間担当している社員です。社内の研修担当への応募を迷っています。CLは相談者の発言を表します。

CL1:新人に社内手続きを説明する仕事を任されています。「分かりやすかった」と言ってもらえると、うれしいです。これからは、人が学ぶことを支える仕事に関わりたいと思っています。

CL2:研修担当の社内公募が気になって、募集要項を読み、担当者に仕事内容を聞きました。最初は先輩と組んで研修の準備をするそうです。

CL3:でも、研修を一から企画したことはありません。経験のない私には、向いていないのかもしれません。

CL4:今の説明の仕事では、相手に伝わるように資料や話し方を工夫しています。でも、研修の企画とは別物ですよね。応募書類を書き始めたものの、経験がないのに応募してよいのかと考えて、その先に進めません。

解説を読む前の練習

次の空欄を、自分の言葉で埋めてみてください。各メモには、根拠になった発言番号も添えます。

  • 本人の希望:______
  • 判断・行動を妨げていること:______
  • その影響:______
  • 自分の見立てに反する発言・限定が必要な点:______

整理メモの一例

項目読み取ったこと根拠
希望人が学ぶことを支える仕事に関わりたいCL1
妨げ企画経験がないことを、研修担当への適性の不安に結び付けているCL3・CL4
影響経験がないまま応募してよいか迷い、書類の準備が進まないCL4

ここで「企画経験がない」という事実と、「向いていないかもしれない」という受け止めを分けます。企画経験を気にするのは自然なことであり、不安そのものを誤りと決める必要はありません。

一方、相手の理解に合わせて工夫した経験があり、先輩と準備する条件も聞いています。それらと企画経験のなさを照らして応募を検討できているかが、確かめたい点になります。

見立ての文章例

人が学ぶことを支える仕事を望んでいるが、研修の企画経験がないことを適性への不安に結び付け、応募書類の準備が進まなくなっている。相手に合わせて説明を工夫した経験や、先輩と研修を準備する条件を踏まえ、自分の経験を生かせる部分と今後学ぶ部分を分けて捉えにくくなっていると考える。

前半は語られた希望・不安・停滞をつなぎ、後半はそこから考えた見立てです。研修担当に向いていると判定したわけでも、経験がなくても必ず応募すべきだとしたわけでもありません。

根拠だけでなく、反する発言も探す

この事例を「仕事内容を調べていないため、応募できない」と捉えたら、CL2と矛盾します。既に募集要項を読み、担当者にも聞いているからです。

「自己理解が全くできていない」も広すぎます。CL1には希望があり、CL4には自分の工夫の説明があります。問題として考えたいのは、それらの経験を応募先の仕事と結び付けて評価する部分です。

自分の見立てを支える発言と、言い過ぎを止める発言の両方を探す。 この確認を、文章にする前後に入れます。

また、応募要件の詳しい説明が本文にないことから、「本人が要件を確認していない」とは断定できません。記録に書かれていないことと、本人が行っていないことは別です。「可能性がある」と添えても、根拠のない不足判断を自由に加えられるわけではありません。

CL番号は、発言へ戻るための点検メモに使います。答案に番号を書くだけで根拠を説明したことにはならないため、完成文では、どんな発言内容を踏まえた見立てなのかが伝わるようにします。

一組から、問2の答案へまとめる

「まず一組」は、練習を始める単位です。完成答案の問題点を一つに限定する指示でも、二つあれば十分という基準でもありません。

一組できたら、事例全体を読み直し、本人の気持ちや生活、環境・支援の条件で見落とした論点がないかを確かめます。別の重要な問題があれば、同じように根拠と影響を整理します。

ただし、「自信がない」「適性を不安に思う」「応募に踏み切れない」と分けただけでは、同じ困り方を重ねている可能性があります。数を増やすより、重複をまとめ、事例の中心的な困り方を説明できているかを見ます。

また、この例の問2に「担当者へ相談するよう提案する」と書き足すと、支援手順の話になります。問2では何が判断を難しくしているかを示し、その見立てに応じた目標・方策を後の設問で考えます。答案化するときは、受検する回の設問と解答欄も確認します。

問2だけを10分で練習する

復習では、いきなり全問を書き直さず、問2に絞る練習も取り入れたいと思っています。

時間取り組むこと
3分希望・妨げ・影響をメモし、根拠の発言を確認する
5分重要な論点を選び、重複を整理して問2を書く
2分見立てに反する発言、未確認事項の断定がないか点検する

この10分は部分練習用の提案であり、本試験の推奨時間配分ではありません。最初は時間を延ばしても、根拠と見立てを照合する手順を確かめます。

振り返りでは、次の点を見ます。

  • 本人の希望や、既に行ったことを見落としていないか。
  • 問題だと考えた理由を、発言から説明できるか。
  • 何の判断・行動に影響しているかを具体的に書いたか。
  • 本人の内面や、環境の条件を決めつけていないか。
  • 支援の手順を先に並べて、問題の説明を省いていないか。

例文を書き写した後にも、見ずにこのメモを作り、文章にしてみる。別の事例でも、同じ確認ができるか試していきたいです。今回の書き直しだけで、初見の問題でも再現できると確認できたわけではありません。

問2の復習では、用語を増やすことより、「なぜ、この相談者は判断や行動を進めにくいのか」を根拠から説明する練習を続けたいと思います。

参考資料

公式資料の確認日:2026年11月1日。本記事の手順・架空事例・文章例は独自の学習用であり、公式模範解答や得点を保証するものではありません。

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