キャリア・カウンセリングの変遷
この記事について
キャリア・カウンセリング理論(マーク・L・サビカス)から引用し、キャリア・カウンセリングの変遷についてまとめています。
理論家を勉強し始めると、色々な理論家の様々な理論が出てきて、整理ができない状態になると思いますので、この記事を読むことで、イメージしやすくなり、記憶の定着に役立つと思います。

職業ガイダンス
20世紀半ばの西洋社会が工業化、都市化、移民の波に翻弄されている時代に、いかに人々を効果的に適した職にマッチングさせることができるかが課題となっていました。
そこで生まれたのが、パーソンズの特性因子理論です。
パーソンズは1909年に『職業の選択』で特性因子理論を提唱し、個人の特性(Trait)と職業の因子(Factor)のマッチングを強調しました。
これが「マッチング思想の原点」となり、それから、50年後、ホランドは1959年頃からこの考えを基に発展させ、1959年にRIASEC(6類型)モデルを発表、1973年のRIASEC六角形モデルで個人-環境適合を体系化しました。
職業ガイダンスを行うとき、カウンセラーは、ホランドのマッチング・モデルを用いて、クライエントが、自己知識を高め、職業的情報を増やし、自己を職業にマッチングさせるように支援しました。
職業教育
第2次世界大戦後(1945年以降)、アメリカは戦後ブームでGDPが急増し、中産階級(ホワイトカラー中心)が急拡大しました。
大量生産・消費社会の進展で、多くの人が大企業(階層的官僚組織)に雇用され、終身雇用的な安定が一般的になりました。
これにより、単なる「職業選択」から「組織内での昇進・キャリア・ラダー(階段)」への関心が高まりました。
20世紀半ば(1950-60年代)、ドナルド・スーパー(Super)の生涯発達理論(Life-Span Career Development)が代表的で、成長段階(探求・確立・維持・衰退)を経て組織内で専門性を積み、昇進を目指すモデルです。
カウンセラーは、キャリア教育を行うとき、スーパーの職業発達モデルを応用し、クライエントが、キャリアステージを理解し、そのステージに必要な発達課題について学び、その課題をマスターするのに必要な態度、信念、能力を見につ得る支援を行いました。
キャリア・カウンセリング
しかし、21世紀の初めに、企業がその姿を変容させていく中で、キャリアの中心は組織から個人へと移っていた。デジタル革命によって、個人の安定した組織の中でキャリアを発達させるのではなく、自分自身のキャリアを管理することを要求される、キャリアの責任の所在が組織アラ個人へと移行することによって、新しい課題が突きつけられている。
企業変容の背景
2000年代初頭、リーマンショックやグローバル化で終身雇用が崩れ、大企業はアウトソーシング・フラット化を進め、安定雇用が減少しました。
デジタル革命(インターネット・AI普及)が労働市場を流動化させ、フリーランス・ギグエコノミー(Uber等)が台頭、個人が複数キャリアを同時管理する時代へ移行をはじめまています。
キャリア責任のシフト
従来のスーパー理論(組織内昇進)から、プロテアン・キャリア(Protean Career:自己主導・変容適応)やバウンダリーレス・キャリア(Boundaryless Career:組織横断)が主流になりつつある中、キャリアを個人が自己管理(スキル更新・ネットワーキング)することを求められ、企業はキャリア支援を「自律性促進」に転換(例:セルフキャリアドック)しています。
新しい課題
キャリア構成理論
これらの課題に対する1つの答えとして登場したのが、キャリア構成理論です。
カウンセラーは、キャリア・カウンセリングを行うとき、キャリア構成理論を適用し、小さなストーリーを通じてキャリアを構成し、小さなストーリーを大きなストーリーへと脱構成し、さらに再構成し、そのストーリーの中でエピソードを共に構成します。
まとめ
パーソンズ→ホランド→スーパー→ホール、サビカスのような変遷を背景にすると覚えやすいと思います。
学科の問題では、理論を年代順に並べたり、時代背景を答えさせるものなどもありますから、覚えておいて損はないと思います。
このVUCAの時代において、ホールの理論やサビカスの理論はキャリコンにとって重要な武器となりそうですね。
この「キャリア・カウンセリング理論」を読み進みてシェアしたいところなどあれば、記事にしていきます。



