プラス1点の知識

イラショナル・ビリーフ(非合理的信念)の4分類

イラショナル・ビリーフ(非合理的信念)の4分類

イラショナル・ビリーフ(非合理的信念)の4分類は、アルバート・エリスの論理療法(REBT)において広く用いられている枠組みです。主な4つの分類は以下の通りです。

  1. 「ねばならない」ビリーフ(絶対的要求)
    • 「~でなければならない」「~すべきだ」という強い思い込み。
    • 例:「私は絶対に成功しなければならない」「人は私を公平に扱うべきだ」。
  2. 悲観的ビリーフ(過剰な恐れ)
    • 「~になったらおしまいだ」「世界は終わりだ」といった極端な悲観。
    • 例:「失敗したら人生が終わりだ」「全部うまくいかない」。
  3. 非難・卑下的ビリーフ(価値の全否定・人としての包括的評価)
    • 自分や他人の価値を全否定する思い込み。
    • 例:「自分(相手)はダメな人間だ」「こんな自分には価値がない」。
  4. 欲求不満低耐性ビリーフ(低い欲求不満耐性)
    • 「我慢できない」「耐えられない」といった耐性の低さに関する思い込み。
    • 例:「こんな状況は絶対に我慢できない」「つらいことには耐えられない」。

これらのビリーフは、「事実に即していない極端な思い込み」であり、感情的な混乱や不適応的な行動の原因になるとされています。論理療法では、これらのイラショナル・ビリーフを柔軟で現実的なラショナル・ビリーフに置き換えていくことが重要とされています。

ラショナル・ビリーフ(合理的信念)とイラショナル・ビリーフ(非合理的信念)の違い

ラショナル・ビリーフ(合理的信念)とイラショナル・ビリーフ(非合理的信念)の違いは、主に以下の点にあります。

項目ラショナル・ビリーフイラショナル・ビリーフ
根拠現実や事実に基づいている現実や事実と乖離している
柔軟性柔軟で論理的な考え方(「~である方が望ましい」など)固定的・絶対的な思い込み(「~でなければならない」など)
感情・行動への影響健康的な感情や建設的な行動につながる不健康な感情や自滅的な行動につながる
目標達成への影響目標達成を後押しする目標達成を妨げる
「できれば成功したい」「失敗しても学びがある」「絶対に成功しなければならない」「失敗したら価値がない」

要点まとめ

  • ラショナル・ビリーフは、現実的で柔軟、論理的な考え方であり、心の健康や前向きな行動を促します。
  • イラショナル・ビリーフは、現実離れした極端な思い込みや「~すべき」「~でなければならない」といった固定観念であり、不安や自己否定、非効率的な行動の原因となります。

論理療法(REBT)では、イラショナル・ビリーフをラショナル・ビリーフに置き換えることで、感情や行動の改善を目指します。

↑この記事が良いと思ったら
❤️クリックをお願いします。ブログ運営の励みになります。