プラス1点の知識

ハックマンとオルダムの職務特性モデル

この記事について

頻出ではないけど、たびたび出てくる理論家を紹介します。

第26回 国家キャリアコンサルタント試験に出題されています。

その時の設問内容は、職務特性理論の5つの中核的次元を答えさせる内容でした。

ニッチな理論家ではありますが、余裕があるならば、5つの中核的次元だけでも覚えておくと良いと思います。

ハックマンとオルダムの理論は、職務特性モデルとして知られ、仕事の特性が従業員の動機付けや満足度にどのように影響するかを説明しています。

このモデルは、1970年代にJ. Richard HackmanとGreg R. Oldhamによって開発されました。以下は、この理論の要点です。

ハックマンとオルダムの職務特性モデル

このモデルは、仕事の特性を5つの要素で構成されています。これらの要素が従業員の動機付けや満足度に影響を与えるとされています。

  1. スキル多様性(Skill Variety)
    • 仕事が多様なスキルや能力を必要とする程度を指します。スキル多様性が高い仕事は、従業員が幅広いスキルを活かすことができ、やる気や成就感を感じやすくなります。
  2. 仕事の意味(Task Identity)
    • 仕事の成果や結果が明確に認識できる程度を指します。仕事の意味が高い場合、従業員は自分の仕事が組織の目標達成に寄与していることを実感し、モチベーションや満足度が高まります。
  3. 仕事の重要性(Task Significance)
    • 仕事が他の人や組織にどの程度の影響を与えるかを指します。仕事の重要性が高い場合、従業員は自分の役割が重要であると認識し、仕事に対する責任感や関与度が高まります。
  4. 自律性(Autonomy)
    • 仕事において自分自身の意思決定や行動の自由度がどの程度あるかを指します。自律性が高い仕事は、従業員が自らのスタイルや方法で仕事に取り組むことができるため、やる気や創造性が促されます。
  5. フィードバック(Feedback)
    • 仕事の成果やパフォーマンスに関する情報をどの程度受け取ることができるかを指します。適切なフィードバックが与えられる環境では、従業員は自分の進捗や成果を把握しやすくなり、自己評価や成長への動機付けが高まります。

臨界的心理状態

これらの5つの要素が従業員に3つの臨界的心理状態をもたらします。

  • 仕事の有意義性(Experienced Meaningfulness of Work)
    • 仕事が有意義であると感じる状態です。
  • 仕事の成果に対する責任感(Experienced Responsibility for Outcomes)
    • 自分の仕事の成果に対して責任を感じる状態です。
  • 成果に関する知識(Knowledge of Results)
    • 自分の仕事の成果について明確に知っている状態です。

これらの心理状態が、従業員の内発的動機付け、成長に対する満足感、仕事に対する満足感、労働の有効性を高める効果をもたらします。

まとめ

ハックマンとオルダムの職務特性モデルは、仕事の特性が従業員の動機付けや満足度にどのように影響するかを理解するための重要なフレームワークです。

上司がこのモデルを参考にして、従業員のスキルやモチベーションを考慮し、バランスの取れた仕事の割り振りを行うことで、従業員の働きやすさや成果を最大化することができます。

職務満足度といえば、動機づけ要因と衛生要因の「二要因理論」を提唱したハーズバーグが頻出の理論家となりますので、ハーズバーグと合わせて、ハックマンとオルダムも覚えておくと良いでしょう。

この記事が良いと思ったら
↓❤️のクリックお願いします。ブログ運営の励みになります。