過去問関係

第32回 キャリアコンサルティング技能検定 2級学科試験 解答(問31〜35)

この記事について

第32回 キャリアコンサルティング技能検定 2級学科試験 回答解説を作成しました。

解答は出ていますが、解説がなかったので、自分で解答解説作成しています。

解答は自分で調べたので、間違いがあるかもしれません。
間違え等を見つけた場合は、お知らせください。

1記事5問ずつアップしていこうと思います。

問31

正解は2

選択肢1:適切

性的指向(Sexual Orientation)は、人が誰に対して恋愛感情や性的魅力を感じるかを示す概念です。これには異性愛、同性愛、両性愛などが含まれます。

選択肢2:不適切

性自認(Gender Identity)は、自分の性別をどのように認識しているかという心の性のことを指します。身体的性(生物学的性)とは異なる概念です。

選択肢3:適切

LGBTのTはトランスジェンダーを表し、生まれた時に割り当てられた性別(戸籍上の性別)と自身が認識する性別(性自認)が一致しない人を指します。

選択肢4:適切

職場におけるセクシュアルハラスメント防止措置には、LGBTに対するハラスメントも含まれます。これは、性的指向や性自認に関わらず、すべての労働者の尊厳を守るためです。

問32

正解は3

選択肢1:不適切

非言語的コミュニケーションにおいて、カウンセラーが腕組みや足組みをすることは、クライエントに対して閉鎖的な印象を与える可能性があります。むしろ、開放的な姿勢でクライエントに向き合うことが望ましいです。

選択肢2:不適切

明確化」は、クライエントの言葉や感情を整理し、より明確にすることを目的としています。カウンセラーが自身の感情を元に解釈することは、クライエントの真意を誤解する可能性があるため適切ではありません。

選択肢3:適切

「なぜ」「どうして」から始まる質問は、相手を追及しているように感じさせ、防衛的になる可能性があります。代わりに「どのように」「何が」などの開かれた質問を使用することが推奨されます。

選択肢4:不適切

繰り返し」は、クライエントの言葉を適切に選んで繰り返すことで、クライエントの発言を確認し、理解を深めるための技法です。常に語尾を繰り返すのではなく、重要な部分や感情を含む言葉を選んで繰り返すことが重要です。

問33

正解は4

選択肢1:不適切

フロイトではなく、カール・ロジャーズがカウンセラーに必要な態度として「受容」「共感的理解」「純粋性(誠実性)」の3つを挙げました。

選択肢2:不適切

クライエントに対して無条件の肯定的関心を持つことは「受容」または「無条件の積極的関心」と呼ばれます。純粋性(誠実性)は、カウンセラーが自分自身に対して正直で、偽りのない態度を取ることを指します。

選択肢3:不適切

この記述は「純粋性」または「一致性」に近い概念を説明しています。受容的態度は、クライエントをあるがままに受け入れる態度を指します。

選択肢4:適切

共感的理解は、カウンセラーがクライエントの内的世界を理解し、それをクライエントに伝えることを指します。これはロジャーズが提唱した重要な概念の一つです。
共感的理解は、クライエントの感情や個人的な意味を正確に感じ取り、それをクライエントに伝えることで、クライエントが自己理解を深め、成長することを助ける重要な要素です。

問34

正解は2

選択肢1:不適切

構成的グループ・エンカウンターのエクササイズには、一定の正解はありません。このアプローチは、参加者の自己開示や相互理解を促進することが目的であり、正解を求めるものではありません。

選択肢2:適切

役割交換(ロールリバース)は、サイコドラマの重要な技法の一つです。サイコドラマの基本的な技法には、以下の4つがあります。

  1. 独白
  2. ロールリバース(役割交換)
  3. ダブル
  4. ミラー


選択肢3:不適切

グループワーク・トレーニングには、一般的に望ましい行動や目標が設定されています。SSTは社会的スキルの向上を目指すものであり、ある程度の望ましい行動パターンが想定されています。

選択肢4:不適切

インプロ(即興劇)は、ラボラトリー式体験学習に基づいて構成されているわけではありません。ラボラトリー式体験学習は、体験から学ぶ学習方法で、特定の循環過程を経て学習が行われます。

問35

正解は2

選択肢1:不適切

インストラクションでは、エクササイズの目的、やり方、ルールを教示することが重要です。エクササイズの狙いを明らかにすることで、参加者のモチベーションを高め、効果的な体験学習を促進します。

選択肢2:適切

「構成」とは、条件設定(場面設定)をすることを意味し、エクササイズ、グループサイズ、時間などの枠を設定します。また、この構造化により、心的外傷を予防しやすくなります。
構成的グループ・エンカウンターの「構成」は、参加者に安全な枠組みを提供し、心的外傷を予防することも目的の一つとしています。

選択肢3:不適切

構成的グループ・エンカウンターは予防的カウンセリングの一形態であり、心身の病気がある場合は参加を慎重に検討する必要があります。

選択肢4:不適切

構成的グループ・エンカウンターでは、リーダーの適切な介入が重要です。参加者の抵抗や困難が見られた場合、適切なサポートや介入を行うことが求められます。

プラス1点の知識

サイコドラマ技法

サイコドラマは、1920年代にヤコブ・モレノによって創始された心理療法の一形態です。

心理療法の一つで、演劇の技法を用いて個人や集団の心理的な問題を探求し、解決を目指す手法です。

概要と歴史

  • サイコドラマは1921年にヤコブ・モレノによって創始されました。
  • 台本のない即興劇を通じて、参加者の自発性と創造性を引き出すことを重視しています。

主な特徴

  • 構成要素: 監督、補助自我、演者、観客、舞台の5つの要素で構成されます。
  • セッションの流れ: ウォーミングアップ、ドラマ、シェアリングの3段階で進行します。
  • 役割交替法: 演者同士が役割を交換し、相手の立場を体験する重要な技法です。

効果と応用

  1. 自己理解の深化: 自分の感情や思考、行動パターンへの気づきを促進します。
  2. 感情の解放: 抑圧された感情を表現し、カタルシスを体験できます。
  3. 対人関係スキルの向上: 他者との共感や理解を深め、コミュニケーション能力を改善します。
  4. トラウマの処理: 安全な環境で過去の経験を再現し、癒しを促進します。
  5. 自信の向上: 新しい役割を演じることで自己効力感が高まります。

適用範囲

サイコドラマは以下のような問題に効果的です。

  • うつ病や不安障害
  • トラウマやPTSD
  • 依存症や摂食障害
  • 対人関係の問題
  • グリーフ(悲嘆)処理

サイコドラマは、個人の心理的成長を促進するだけでなく、集団療法やコミュニケーション研究など、幅広い分野で応用されています。

サイコドラマの主な技法

  1. 独白 (ソリロキー)
    主役が自分の内面の思考や感情をその場で声に出して表現する技法です。
  2. ロールリバース (役割交換)
    主役が他の登場人物と役割を交換し、相手の立場から状況を体験する技法です。これにより、相手の視点を理解し、共感を深めることができます。
  3. ダブル (二重自我)
    別の参加者が主役の隣に立ち、主役の内なる声や隠れた感情を代弁する技法です。これにより、主役が自覚していない感情や思考を表現することができます。
  4. ミラー (鏡技法)
    主役が観客席に座り、他の参加者が主役の行動を鏡のように再現する技法です。これにより、主役は自分の行動を客観的に観察し、新たな気づきを得ることができます。

これらの技法を駆使することで、サイコドラマは参加者のカタルシスを促し、新たな役割の獲得や自己理解の深化を目指します。
また、エンプティチェア(空の椅子)技法も補助的に使用されることがあります。

ラボラトリー式体験学習

ラボラトリー方式の体験学習とは、「特別に設計された人と人がかかわる場において、”今ここ”での参加者の体験を素材(データ)として、人間や人間関係を参加者とファシリテーターがともに探求する学習」と定義されています。

この学習方法は、参加者の主体性を重視し、実践的なスキルや洞察を得ることを目的としています。
従来の座学中心の学習方法とは異なり、体験を通じて深い理解と持続的な学びを促進する効果的なアプローチとして認識されています。

主な特徴

  1. 体験重視: 参加者の直接的な体験を学習の中心に置きます。
  2. プロセス重視: 感情、思考、行動など、体験中に起こるプロセスに注目します。
  3. 反省的観察: 体験後の振り返りを重視し、学びを深めます。
  4. 能動的学習: 参加者が主体的に学習プロセスに関わります。

学習サイクル

ラボラトリー方式の体験学習は、以下の4つのステップからなる循環的なプロセスを通じて行われます。

  1. 具体的体験
  2. 反省的観察(振り返り)
  3. 抽象的概念化(分析)
  4. 能動的実験(仮説化と行動計画)

ファシリテーターの役割

  • 参加者の学びを支援し、深める
  • グループのプロセスを観察し、適切に介入する
  • 開放的、受容的、共感的な姿勢を保つ

応用分野

ラボラトリー方式の体験学習は、以下のような分野で活用されています。

  • 教育機関(学校、大学など)
  • 企業研修
  • リーダーシップ開発
  • チームビルディング
  • 個人の成長支援

2級技能士 第32回 問1〜50解説リンク集

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