VPIとは何か
VPI(Vocational Preference Inventory/職業興味検査)は、アメリカの心理学者ジョン・L・ホランドによって開発された、個人の職業興味を測定するための心理検査です。日本では大学生や求職者を主な対象として、就職課やハローワークなどの支援機関で広く利用されています。
検査の概要
- 対象者:短大生、大学生以上
- 所要時間:15~20分程度(採点含む)
- 方法:160個の職業名に対して「興味があるかどうか」を回答する形式
- 実施・採点:カーボン形式で簡便に実施可能
測定される内容
6つの職業興味領域(RIASEC)
領域名 | 内容 |
---|---|
現実的(Realistic:R) | 機械や物体を対象とする具体的・実際的な仕事や活動 |
研究的(Investigative:I) | 研究や調査など探索的な仕事や活動 |
芸術的(Artistic:A) | 音楽、芸術、文学など創造的な仕事や活動 |
社会的(Social:S) | 人と接したり、奉仕する仕事や活動 |
企業的(Enterprising:E) | 企画・立案、組織運営や経営などの仕事や活動 |
慣習的(Conventional:C) | 規則や習慣を重視し、それに従う仕事や活動 |
5つの傾向尺度
尺度名 | 内容 |
---|---|
自己統制尺度(Self-Control:Co) | 衝動的な行動や考えをどの程度統制できるか |
男性-女性傾向尺度(Masculinity-Feminity:Mf) | 伝統的な性役割へのこだわりの度合い |
地位志向尺度(Status:St) | 社会的威信や名声、地位や権力を重視する度合い |
稀有反応尺度(Infrequency:Inf) | 職業に対する見方のユニークさ |
黙従反応尺度(Acquiescence:Ac) | 幅広くさまざまな職業に関心を持つ度合い |
結果の活用
- 検査結果は6つの職業興味領域と5つの傾向尺度のプロフィールとして表示されます。
- 興味尺度が高い領域の組み合わせ(例:S・I・Aが高い→医師や看護師など)から、個人に適した職業分野を見つける参考になります。
- 結果は自己理解や職業理解を深め、進路選択やキャリアカウンセリングの補助ツールとして活用されます。
まとめ
VPIは、個人の職業興味を6つの領域と5つの傾向尺度で多面的に把握し、自己理解やキャリア選択の指針として活用できる、信頼性の高いアセスメントツールです。