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職務等級制度・職能資格制度・役割等級制度のまとめ

職務等級制度・職能資格制度・役割等級制度のまとめ

各制度の概要と特徴

制度名評価・等級の基準主な特徴・メリット主なデメリット・注意点向いている組織文化・人材育成
職能資格制度能力・スキル・経験・個人の能力や経験を重視
・年功序列や終身雇用との相性が良い
・ゼネラリスト育成に向く
・年功的な運用になりやすい
・能力の客観評価が難しい
日本型雇用、長期育成型
職務等級制度職務(仕事内容・責任)・職務ごとの価値を明確に評価
・成果主義やジョブ型雇用に適合
・スペシャリスト育成に向く
・職務記述書の作成・運用が煩雑
・職務の固定化
欧米型雇用、専門職重視型
役割等級制度役割(ミッション)・役割の達成度で評価
・組織や職務の変化に柔軟に対応
・職能・職務両方のメリットを持つ
・制度設計が企業ごとに異なる
・評価基準が曖昧になりやすい
変化対応型、現代日本企業

詳細解説

職能資格制度
従業員の職務遂行能力や経験年数を基準に等級を決める制度です。日本の年功序列・終身雇用と親和性が高く、幅広い職務に対応できるゼネラリストの育成に向いていますが、能力評価の客観性や年功的運用が課題とされます。

職務等級制度
職務内容や責任、難易度など「仕事そのもの」の価値で等級を決める制度です。職務記述書(ジョブディスクリプション)を作成し、職務ごとに評価と報酬を決定します。成果主義やジョブ型雇用に適しており、スペシャリスト育成に向きますが、職務の固定化や運用の煩雑さがデメリットです。

役割等級制度
担当する「役割(ミッション)」に応じて等級を設定する制度です。役職や職務だけでなく、期待される役割や成果を幅広く評価でき、組織や職務の変化に柔軟に対応しやすいのが特徴です。職能資格制度と職務等級制度のハイブリッド型とも言われ、現代の日本企業で導入が進んでいます。