理論

キャリアアダプタリティ

この記事について

キャリアアダプタリティというと、サビカスが真っ先に思いつきますが、

キャリアアダプタリティ(キャリア・アダプタビリティ)は、アメリカの心理学者ドナルド・E・スーパー(Donald E. Super)が提唱した概念です。

スーパーはキャリア発達理論の中でこの考え方を提示し、特に「キャリア成熟度」から発展させたものとして位置付けられています。

その後、この概念をさらに発展・体系化したのが、同じくアメリカの心理学者マーク・L・サビカス(Mark L. Savickas)です。サビカスはキャリア構築理論(Career Construction Theory)の中核要素としてキャリア・アダプタビリティを位置づけ、現代的な理論として整理しました。

キャリア成熟とは

キャリア成熟(Career Maturity)とは、個人がキャリアの選択・決定やその後の適応に向けて、どれだけ準備ができているか(レディネス)、またはどのような取り組み姿勢を持っているかを示す心理社会的構成概念です。

主な定義

  • ドナルド・E・スーパー(Donald E. Super)は「キャリア発達課題へ取り組もうとする個人の態度的・認知的レディネス」と定義しています。
  • King(1989)は「知見の広い、年齢にふさわしいキャリア決定をするための個人のレディネス」と述べています。
  • 坂柳(1991)は「キャリアの選択・決定やその後の適応への個人のレディネスないし取り組み姿勢」とまとめています。

構成要素

キャリア成熟は、以下のような側面から構成されるとされています。

  • キャリア選択への志向性(Orientation to Vocational Choice)
  • 情報と計画(Information and Planning)
  • 職業嗜好の一貫性(Consistency of Vocational Preference)
  • 特性の結晶化(Crystallization of Traits)
  • 職業嗜好の知識(Wisdom of Vocational Preference)

また、キャリア成熟は態度や能力の両面から測定されることが多く、職業選択の一貫性や現実性、選択の有能性、選択態度などが含まれます。

キャリア成熟の役割

  • 主に思春期・青年期におけるキャリア発達の中心概念とされ、進路選択や職業選択の準備状態を表します。
  • 成人期以降は「キャリア・アダプタビリティ(適応力)」という概念に発展しています。

キャリアアダプタリティとは

キャリアアダプタリティ(Career Adaptability)は、時代や環境の変化に合わせて自分のキャリアを柔軟に適応させていく能力を指します。現代のように変化が激しく、将来の予測が困難な「VUCA時代」において、個人が自らのキャリアを主体的に切り拓くために不可欠な力とされています。

提唱者と理論的背景

キャリアアダプタリティは、アメリカの心理学者ドナルド・E・スーパーがキャリア発達理論の中で提唱した概念です。その後、マーク・L・サビカスがこの概念を発展・体系化し、「キャリア構築理論(Career Construction Theory)」の中核要素として確立しました。

キャリアアダプタリティの4つの資源(4C)

キャリアアダプタリティは、サビカスによって以下の**4つの資源(4C)に整理されています。

資源(C)意味
Concern(関心)将来の自分やキャリアについて考え、進むべき方向性を明確にする力
Control(統制)目標に向かって自分自身をコントロールし、キャリア選択に責任を持つ力
Curiosity(好奇心)新しい知識やスキルに前向きに取り組み、未知の領域にも挑戦する力
Confidence(自信)困難や不安に直面しても乗り越えられると信じ、積極的に挑戦する力

この4Cを高めることで、変化の激しい環境でも自分らしいキャリアを築くことができるとされています。

現代における重要性

キャリアアダプタリティは、転勤や異動、転職といったキャリアの転機だけでなく、日々の業務や学びの場面でも求められる能力です。企業においても、キャリアマップの作成やメンター制度の導入などを通じて、社員のキャリアアダプタビリティ向上を支援する動きが広がっています。

まとめ

ここの部分を整理しておかないと、スーパーのところででも、サビカスのところでもキャリアアダプタリティが出てくるので、どっちが何を言っていたのか混同してしまいます。

まとめると、

  • 提唱者:ドナルド・E・スーパー
  • 発展・体系化:マーク・L・サビカス

このように、キャリアアダプタリティはスーパーが提唱し、サビカスが発展・体系化した理論と覚えましょう。

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