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この記事について
カウンセリングのアプローチとして、感情的アプローチ、認知的アプローチ、行動的アプローチがあります。
この3つの特徴を問う問題が度々出題されていますので、特徴を整理しました。
自分もどれがどれか、わからなくなってしまい、間違えた問題がありました。
特に、認知的アプローチと感情的アプローチは、どちらも内心へのアプローチなので少し混同しやすいと感じます。
各アプローチの特徴比較
以下の表は、認知的アプローチ、感情的アプローチ、行動的アプローチの主要な特徴を比較したものです。
特徴 | 認知的アプローチ | 感情的アプローチ | 行動的アプローチ |
---|---|---|---|
焦点 | 思考パターンと認知プロセス | 感情体験と感情表現 | 観察可能な行動とその結果 |
主な前提 | 問題は出来事の認知方法から生じる | 感情に触れることで自己実現が促進される | 行動は学習され、環境との相互作用で形成される |
目標 | 非合理的な思考を適応的なものに変更 | 感情を豊かにし、自己成長を促進 | 望ましくない行動を減らし、適応的行動を増やす |
主な技法 | ・認知の再構成 ・自動思考の識別と評価 ・合理的な反論の開発 | ・来談者中心カウンセリング ・ゲシュタルト療法 ・フォーカシング | ・系統的脱感作 ・オペラント条件付け ・エクスポージャー療法 |
変化のメカニズム | 思考の変容を通じて感情と行動を変える | 感情の深い理解と表現を通じて成長を促す | 直接的な行動の変容を通じて問題を解決する |
時間的焦点 | 現在の思考パターン | 現在の感情体験と過去の影響 | 現在の行動と環境 |
クライアントの役割 | 思考の分析と再構成に積極的に参加 | 感情の探索と表現に主体的に取り組む | 具体的な行動目標の設定と実践に取り組む |
実際のカウンセリングでは、クライアントのニーズに応じてこれらのアプローチを統合的に用いることも多いです。
感情的アプローチ
感情的アプローチは、カウンセリングにおいて相談者の感情や感情的な体験に焦点を当てるアプローチです。
基本的な考え方
- 人は自分の感情に真に触れることで、十全に発達し自己実現することができる。
- 人は自分の感情や考えを自由に表現し、それを確かめることで、自分の経験と感情を呼び戻すような人間関係を求める。
- 感情や経験が自分自身の価値観の基盤となったとき、自己実現を目指して機能できる。
主な特徴
- 「今、ここに」集中し、想像や知的理解ではなく「現実」を体験させる。
- 全感覚を用いて、「自己」や「自分自身の価値」に気づいていくよう支援する。
- 自分の行動、感情、思考に責任を持つことを重視する。
- カウンセリングの重点は、1対1の「人間関係の質」を高めることに置かれる。
代表的なアプローチ
来談者中心カウンセリング
ロジャーズによって開発された来談者中心カウンセリングは、感情的アプローチの代表的な手法です。このアプローチでは、カウンセラーの基本的態度として以下の3つが重要視されます。
- 無条件の肯定的関心(受容的態度)
- 共感的理解
- 自己一致(純粋性)
その他の感情的アプローチ
- ゲシュタルト療法(パールズ)
「今ここ」での「気づき」を重視し、クライエントのゲシュタルトの回復を目指す。 - フォーカシング(ジェンドリン)
クライエントの中にある「言葉にしがたい身体感覚」を傾聴することを重視する。
感情的アプローチは、クライエントの感情を豊かにし、自己成長や自己実現を促進することを目的としています。
認知的アプローチ
認知的アプローチは、心理療法の一つの主要な方法論で、クライアントの思考パターンや認知プロセスに焦点を当てるアプローチです。
基本的な考え方
認知的アプローチは、人間の問題や混乱が、出来事そのものではなく、その出来事をどのように認知するかによって生じるという前提に基づいています。つまり、ある状況下における人の感情や行動は、その状況に対する意味づけや解釈である認知によって規定されると考えます。
主な目標と方法
- 非合理的または歪んだ思考パターンの識別と修正
- より適応的で現実的な思考への変更
- 問題解決のためのスキル向上
認知的アプローチでは、クライアントの否定的思考を単に肯定的思考に置き換えるのではなく、より適応的で現実的な視点を見出せるよう支援します。
代表的な理論
- 論理療法(エリス)
- 認知療法(ベック)
応用範囲
認知的アプローチは、うつ病、不安障害、パニック症、摂食障害など、幅広い心理的問題に対して効果が示されています。
認知的アプローチは、クライアントが自身の思考パターンを理解し、より適応的な認知と行動を獲得することを通じて、問題解決と症状の改善を目指す実践的な心理療法アプローチです。
行動的アプローチ
行動的アプローチは、カウンセリングや心理療法において用いられる主要な方法論の一つです。このアプローチは、クライアントの具体的な行動とその結果に焦点を当て、行動の変化を通じて問題解決を図ることを目的としています。
主な特徴
- 行動主義を基礎とし、人間の行動は学習の結果であると考える
- 観察可能な行動に焦点を当て、環境との相互作用を重視する
- 問題行動を修正し、望ましい行動を増やすことを目指す
主要な技法
- 条件付け
パブロフの古典的条件付けやスキナーのオペラント条件付けを応用 - 系統的脱感作(ウォルピ)
不安や恐怖を引き起こす刺激に対する感受性を段階的に弱める - 行動の強化と弱化
望ましい行動を増やし、望ましくない行動を減らす - モデリング
望ましい行動を観察し模倣させる
行動的アプローチの利点
- 具体的で観察可能な行動に焦点を当てるため、効果の測定が比較的容易
- 短期間で効果が現れやすい
- パニック症や社会不安障害などの治療に効果的
行動的アプローチは、クライアントの行動パターンを変えることで、感情や思考にも影響を与え、問題解決や症状の改善を目指す実践的な心理療法アプローチです。
まとめ
混同しやすいカウンセリングの3種のアプローチを整理しました。
1つの設問に3つを詰め込んで、内容とアプローチをバラバラにする問題などが出されやすいので、特徴を掴んでおきましょう。
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