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【キャリコン+1点】労働者と使用者の違い

この記事について

キャリアコンサルタント過去問で労働者と使用者の違いについての設問があり、間違えてしまったため、調べたものを備忘記録としてシェアします。

労働基準法における労働者と使用者の主な違い

労働者の定義

労働者とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者を指します。具体的には

  • 事業または事務所に使用される者
  • 職業の種類を問わない
  • 賃金を支払われる者

労働者には、正社員、パートタイム労働者、アルバイト、契約社員など、雇用形態は問われません。

使用者の定義

使用者は、以下の3つのタイプに分類されます。

  1. 事業主
    労働者と直接労働契約を結ぶ法人や個人事業主
  2. 事業の経営担当者
    法人の代表者や役員など、経営全般に責任を持つ者
  3. 労働者に関する事項について行為をする者
    部長や工場長など、労働条件の決定や指揮命令を行う立場の者

※労働者と思われる部長や工場長も使用者となる場合があることに注意

主な違い

企業内の管理監督者と労働基準法上の管理監督者には重要な違いがあります:

  1. 定義の違い
    • 企業内の管理職:企業が独自に決定する役職者(部長、課長など)
    • 労働基準法上の管理監督者:経営者と一体的な立場にあり、重要な職務内容、責任と権限を持つ者
  2. 権限と責任
    • 企業内の管理職:必ずしも経営上の重要な決定権を持たない
    • 労働基準法上の管理監督者:経営者と同等の重要な責任と権限を有する
  3. 労働時間規制
    • 企業内の管理職:通常、労働時間規制の対象となる
    • 労働基準法上の管理監督者:労働時間、休憩、休日に関する規定が適用されない
  4. 待遇
    • 企業内の管理職:必ずしも特別な待遇を受けない
    • 労働基準法上の管理監督者:地位にふさわしい待遇(賃金等)が必要
  5. 判断基準
    • 企業内の管理職:企業が定める基準や役職名
    • 労働基準法上の管理監督者:職務内容、責任と権限、勤務態様等の実態に基づいて判断

労働者と使用者の関係は、労働契約を通じて成立し、両者の権利と義務を定めています。
この区別を理解することは、労働関係の適切な管理と法令遵守のために重要です。

使用者の定義をもっと詳しく

「その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者」とは、労働基準法上の使用者の定義の一部であり、以下のような特徴を持つ人々を指します。

  1. 労働条件の決定や労務管理に関与する者
  2. 従業員に対して業務命令を出したり、具体的な指揮監督を行う立場にある者
  3. 人事、給与、厚生等に関する権限を持つ者

具体的例

  • 人事部長や労務課長
  • 工場長や営業部長などの管理職
  • 従業員のシフト管理や出退勤の命令権を持つ責任者

まとめ

重要なポイントは、役職名だけでなく、実質的に労働者に関する事項について一定の権限を持っているかどうかで判断されることです。

つまり、単なる上司の命令の伝達者ではなく、実際に決定権や管理権を持っている人が該当します。

この定義により、経営者や役員だけでなく、中間管理職や現場の責任者も労働基準法上の「使用者」として扱われる可能性があり、法的責任を負う可能性があることに注意が必要です。

この違いを理解せずに企業内の管理職を労働基準法上の管理監督者として扱うと、残業代未払いなどのトラブルにつながる可能性があります。

キャリコン試験頑張りましょう!

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