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この記事について
同じようで実は違う、「共感」と「同感」の違いについて書いています。
カウンセリングにおいて、クライアントに対して「共感」をすることを求められていますが、逆にクライアントに「同感」することはあまり好ましくないと言われています。
「共感」について
共感とは、相手の感情や経験を理解し、その人の立場に立って感じ取ることを指します。
共感の特徴は以下の通りです。
- 相手の気持ちを自分のことのように感じ取る
- 相手の立場や感情に寄り添う
- 自分の意見や感情はいったん横に置く
- 主語は「あなた」となる
例えば、「(あなたは)○○と思ったんだね」「(あなたは)○○がつらいのね」といった表現が共感を示します。
「同感」について
同感は、相手の意見や気持ちに賛成したり、同意したりすることを意味します。
- 同感の特徴は以下の通りです。
- 自分の経験や価値観に基づいて相手の意見に同意する
- 主語は「自分」となる
例えば「わかるわかるー!わたしもー!」といった反応です。
同感は、「私もあなたの意見、気持ちと同じです」と伝えることになります。
「共感」と「同感」の重要な違い
視点の違い
共感は相手の立場に立って感じ取るのに対し、同感は自分の経験や価値観に基づいて同意します。
コミュニケーションの効果
共感は相手の気持ちを理解し、寄り添うことで、相手が安心して話せる環境を作ります。一方、同感は必ずしも相手の気持ちを深く理解しているわけではありません。
使用場面
共感はカウンセリングや深い人間関係の構築に適していますが、同感は日常会話で自然に使われることが多いです。
言語的表現
共感は「あなたは〇〇と感じているのですね」のように相手を主語にしますが、同感は「私も同じように思います」のように自分を主語にします。
カウンセリングにおいて「共感」が好まれる理由
- クライエントとの信頼関係が築かれる
- クライエントが自分の気持ちを整理し、自己理解を深められる
- クライエントの成長と回復を支援する基盤となる
カウンセリングにおいて「同感」が好まれない理由
- クライエントの話を奪ってしまう
- クライエントへの依存度が強くなる
- カウンセラーの価値観や結果をクライエントに押し付けてしまう
「同感」が好まれる場合もある
- ラポール(信頼関係)の形成初期段階
- クライエントを励ましたり、支持したりする必要がある場合
- クライエントの価値観や行動を肯定的に強化したい場合
ただし、同感を使用する際は、クライエントの自律性を尊重し、依存を生まないよう注意が必要です。
まとめ
今回の「共感」、「同感」については、先日受講したカウンセリング講座入門で出てきたテーマで、興味深いと感じたため、記事にしました。
普段何気なく使っていた「共感」と「同感」という言葉ですが、あまりその言葉がもつ意味を理解せず、混同していました。
また、カウンセリングにおいての両者の使い分けなども知ることが出来ました。
普段何気なくつかっている言葉も、調べてみると深い意味があったりするんだなと感じました。