第29回 キャリアコンサルティング技能検定 2級学科試験 解答(問6〜10)
この記事について
第29回 キャリアコンサルティング技能検定2級 学科試験の解答解説を作成しました。
解答は出ていますが、解説がなかったので自分で解答解説作成しています。
解答は自分で調べたので、間違いがあるかもしれません。
間違え等を見つけた場合は、お知らせください。
1記事5問ずつアップしていこうと思います。
設問:6
正解:1
選択肢1:適切
パーソンズ(Parsons, F.)はキャリア選択の父とされ、職業選択にあたっては「自己理解」「職業理解」「合理的推論」による自己と職業のマッチングが必要であると提唱した。これがキャリア理論の基礎となっている。
選択肢2:不適切
クランボルツ(Krumboltz, J. D.)の6類型による職業興味表現に「スリーレターコード」という用語は存在せず、この用語はホランド(Holland, J. L.)のパーソナリティタイプを3つ選んで示す表現方法である。
選択肢3:不適切
ホランド(Holland, J. L.)はRIASEC理論やパーソナリティによる職業選択理論を提唱しているが、「連続的意思決定モデル」や3つの戦略(予測システム、価値システム、基準システム)を使う理論はジェラット(Gelatt, H. B.)の意思決定モデルの内容である。
選択肢4:不適切
ジェラット(Gelatt, H. B.)は意思決定モデルを提案したが、「計画された偶発性理論」における5つのスキル(好奇心、粘り強さ、柔軟さ、楽観性、リスクテイキング)を提唱したのはクランボルツの偶然性理論である。
設問:7
正解:2
選択肢1:不適切
社会認知的キャリア理論(SCCT)は、デシとライアンによるものではなく、バンデューラの社会的認知理論を基盤にレント、ブラウン、ハケットらが提唱したものである。
選択肢2:適切
SCCTでは、三者相互作用として「人(個人)」「環境」「行動」の三者が相互に作用し、さらに認知に係る学習経験や興味、目標設定、行動の結果がキャリア選択に影響を与えると説明している。
選択肢3:不適切
SCCTにおける三者相互作用の三者は「自己理解」「仕事理解」「マッチング」ではなく、「人(個人)」「環境」「行動」である。
選択肢4:不適切
SCCTは、個人の性別や能力、環境要因を考慮しつつも、それらが単にマッチした結果ではなく、個人の認知や自己効力感が行動に影響しキャリア選択が形成されると考えるため、この記述は正確ではない。
設問:8
正解:1
選択肢1:適切
モデリングは、社会的学習理論に基づき、観察を通じてモデルの行動を習得させ、問題行動の改善を目指す技法である。観察学習として効果的な行動療法の一つである。
選択肢2:不適切
シェイピング法はスモールステップで段階的に目標行動を形成するオペラント条件づけの技法であり、「逆制止」のメカニズムを応用する系統的脱感作法とは異なる。逆制止は不安反応抑制のメカニズムでレスポンデント条件付けである。
選択肢3:不適切
系統的脱感作法は古典的条件づけに基づき、恐怖刺激に対する不安反応をリラクセーションなどの拮抗反応で減少させる技法でありレスポンデント条件付けに該当し、オペラント条件づけのシェイピング法とは異なる。
選択肢4:不適切
漸進的筋弛緩法は筋肉の緊張と弛緩を段階的に繰り返すことでリラックスをもたらす方法であり、自己暗示の言葉を唱える方法は「自律訓練法」である。
設問:9
正解:3
選択肢1:適切
ヘルピング技法は、精神分析療法や来談者中心カウンセリングの洞察志向技法と、行動療法などの行動変容志向技法を統合した折衷主義・統合主義的アプローチとして位置づけられている。
選択肢2:適切
ヘルピング技法は専門的カウンセラーだけでなく、一般の人も活用できるように方式化されており、日常的な支援の場でも利用可能である。
選択肢3:不適切
ヘルピング技法のプロセスは直線的に進むものではなく、段階を柔軟に行き来する非直線的かつ循環的なプロセスであるため、直線的進行とする記述は誤りである。
選択肢4:適切
事前段階(かかわり技法)はラポール形成の段階であり、「かかわりへの準備」、「親身なかかわり」、「観察」、「傾聴」の4つの具体的な技法が含まれる。
設問:10
正解:3
選択肢1:不適切
リカレント教育は、一般に社会人や既に就労経験のある人が学び直しや再教育を行うための教育を指し、社会人未経験の大学生の資格取得のための修学は通常含まれない。
選択肢2:不適切
「令和3年度能力開発基本調査」によれば、正社員の自己啓発における問題点として「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」が「費用がかかりすぎる」よりも高い割合を示しており、選択肢記述とは逆である。
令和3年調査
自己啓発における問題点の内訳をみると、正社員では「仕事が忙しくて自己啓発 の余裕がない」(57.8%)、「費用がかかりすぎる」(27.1%)、「家事・育児が忙しくて 自己啓発の余裕がない」(24.7%)の順に高く、正社員以外では「仕事が忙しくて自 己啓発の余裕がない」(39.7%)、「家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない」 (35.9%)、「費用がかかりすぎる」(27.9%)の順に高くなっている。
令和6年調査
自己啓発における問題点の内訳をみると、正社員、正社員以外ともに「仕事が忙 しくて自己啓発の余裕がない」(正社員 55.9%、正社員以外 35.3%)、「家事・育児が 忙しくて自己啓発の余裕がない」(正社員 26.3%、正社員以外 33.3%)、「費用がかか りすぎる」(正社員 25.7%、正社員以外 26.8%)の順に高くなっている。
選択肢3:適切
令和3年就労条件総合調査 結果の概況(労働費用)
「令和3年就労条件総合調査」の結果によると、民間企業の「現金給与以外の労働費用」に占める「教育訓練費」は5%未満の0.9%であり、多くの企業が教育訓練に十分な投資をしていない現状が示されている。
※令和3年以降は、教育訓練費の割合算出無し
選択肢4:不適切
事業主が従業員に業務を離れて教育訓練を受けさせる際に支援する公的な助成金制度は存在しており、代表的なものに人材開発支援助成金などがある。
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