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この記事について
今回の記事では、今読んでいる本「科学者たちが語る食欲」から、興味深いと感じた、タンパク質欲についてまとめていきたいと思います。
ダイエットしていると、無性に何かが食べたくなったり、食べても食べても治らない。なんて底なしの食欲に悩まされること多いですよね。
この記事を読めば、食欲って一体なんなの?って疑問が少し解決するかもしれません。
自分が書籍を読んだ内容を自分なりまとめていますので、認識が違う部分等もあるかもしれません。
その際はご指摘いただければと思います。
5つの食欲
生物は必要な栄養素を摂取するために、その栄養素を積極的に取るようにプログラムされています。
人間は以下の5つの栄養素を摂取するように設定されているみたいです。
- タンパク質
- 炭水化物
- 脂肪
- ナトリウム
- カルシウム
ちなみにバッタは、タンパク質と炭水化物の2つみたいです。
これらが、体に不足すると、食欲という形で摂食という行動に結びつくようです。
食欲ってお腹が満たされれば、収まると思っていましたが、栄養素を得ないと満たされないんですね。
ビタミンなどのその他の栄養素は?
もちろん、ビタミンなどの他の栄養素も人間には必要です。
ですが、タンパク質をはじめとする5つの栄養素を摂取する過程で、満足に取ることができるのでそれらについては、欲というプログラムを必要としていないのではないか。と推測されています。
確かに、無数にある栄養素ごとに食欲が存在してしまったら忙しすぎますよね。常に何かを摂取したい欲で生活できませんね。
これらの欲は人類の進化の過程で備わった欲
ここで、これらの欲には1つの前提があります。
この生物に備わっている欲は、「進化の過程」で備わったものということです。
なぜ、この5つの栄養素なのか?というと、タンパク質、炭水化物、脂肪は比較的容易に取ることのできる栄養素で、しかも魚、肉、野菜など食べ物の種類を変えることで容易に栄養バランスを変えることができるため。と考えられています。また、他のナトリウムとカルシウムは、祖先が暮らしていた環境では貴重であったため、貴重な栄養素に敏感に反応するために、食欲というシステムに組み込まれたと考えられています。
食物繊維の重要性
食欲としては組み込まれて無いのですが、食物繊維も非常に重要な役割を果たしています。
これは、栄養素が十分に摂取出来た!という信号が脳に届くまでに時間がかかるための時間稼ぎとしての役割を果たします。
上記のとおり、脳への情報伝達は食べてすぐに伝わるわけではありません。その情報が脳へ届くまでは、食欲は収まりません。そうなると、必ず食べ過ぎが発生してしまいます。
そこで、登場するのがこの「食物繊維」なんです。
食物繊維は人間の消化酵素では分解されないので、胃を膨らませます。その胃の膨張することで一旦、満腹中枢へ情報が送られ食欲を収めます。栄養素と一緒に摂取することで、食べ過ぎを予防する効果があるんです。
しかも、食物繊維は、人間の消化酵素では分解できないのですが、腸の微生物の餌となり、その微生物は食物繊維を元に人間に必要な栄養素を生産します。
本当に良くできたシステムですよね。無駄が何もない。素晴らしい!
体が必要とする分量の栄養素を摂取するようにプログラムされている
生物は、必要栄養素が十分にある摂取できる環境においては、その生物に体が必要とする分量の栄養素を自然と摂取するようにできています。
実験では、塩分だけが致死量失われるように細工したラットの摂食を記録したところ、ラットは死なず、死を生存に必要な分量を食べて、生き延び、この栄養素をカルシウムに変えても同様だったようです。
ここからわかるのは、生存に必要な量の栄養素は体が知っていて、それを食べるように食欲でコントロールされているということです。
バランス良い食事があれば太らない
この適量を自然と食べるためには、この5つ栄養素と食物繊維が十分に摂取できる環境があれば。という前提ですが、この環境下であれば、自然と栄養素が満たされれば食欲が収まるので太ることはないです。
なぜ太るのか?
では、なぜ太るか?
これらを踏まえて考えると、
それは、バランス良い食事を摂取できる環境ではないから。という事が言えそうですね。
人間はタンパク質をターゲットとして食べ物を選ぶ
バランスよく栄養素を摂取できない環境では、何を一番多く摂取するべきかという問題が出てきます。
例えば、「低タンパク、高脂肪、中炭水化物」という栄養素の食べ物しか与えられなかった場合、栄養素の均衡を保つのは不可能です。この時、どの栄養を満たすべきか?という選択が発生します。タンパク質をターゲットにすれば、他の2つは摂取しすぎます。脂肪をターゲットにすると、他の2つは足りません。炭水化物であれば、タンパク質は不足、脂肪はとりすぎと。いう具合です。
結論から言うと、人間はタンパク質をターゲットとして食べるようです。ネズミや、バッタなども同様にタンパク質です。ですが、これは環境や状況によって変化するようです。
例えば、冬眠をする生物においては、冬眠前はタンパク質より脂肪を優先して摂取し越冬に備えるなど、その時々によってターゲットを変えるようでうす。
実験例
この本の中で、人間に対して実験を行っています。
人を缶詰にして、食べ物を提供し、その摂取量を確認する方法です。その食べ物のタンパク質の量だけ変えて提供したらどうなるか?という実験です。タンパク質以外の栄養やカロリーは全く同じに設定します。
タンパク質比率を低、中、高食事を与えた時に、人はどのような摂食行動を取るか?
味も変わらないと言う事なので、普通に考えたら食べる量に影響はなさそうに感じますよね。
実験結果では、タンパク質に依存して摂取量を変えたという結果が出ました。
低タンパク質を与えられた被験者はなんと、その週の摂取量を12%も上げました。
まとめ
いかがでしたか?
人がどのようにして、食事を選んでいるのかが少し理解できたでしょうか?
何気なく食べているものも、実は体が欲していて食べているものなのだと言うことに驚きですね。
次の記事は、もう少しこのタンパク質と現在の食環境という部分に焦点を当てて記事を書きたいと思います。
なぜ、太るのか。なぜ、食欲が収まらないのか。次回も一緒に考えてみましょう。