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希望の歴史(下)10章から15章

この記事について

希望の歴史(下)の10章から15章の要約です。

各章を一言でまとめてみました。

*希望の歴史(上)はこちらから。

希望の歴史(下)の結論

この本では、人間が互いに信頼することについて書かれています。

「他人は信頼できる」

他人を信頼することの意義や、信頼する必要性が書かれています。

第10章 共感はいかにして人の目を塞ぐのか

共感は視野を狭くする

ナチスの虐殺は、イデオロギーによるものとされてきていたが、本当の原因は「友情」であった。

多くのテロリストも国の民ではなく、身近な人のために戦っている。

幼児は親切だが、自分と好みのが違う人より、意地悪でも、自分と好みの合う人を選ぶ。つまり、共感を優先する。

第11章 権力はいかにして腐敗するのか

権力は人を後天的ソシオパスに変える。

権力を得る前は、共感力のある信頼の厚い人物であっても、ソシオパスに変えてしまうことがある。

ソシオパス(sociopath)は、反社会性パーソナリティ障害(Antisocial Personality Disorder, ASPD)の一形態を指します。

ソシオパスの特性としては、他人の感情を理解したり共感したりする能力が欠如していること、衝動的な行動、他人を操作したり利用したりする傾向があることなどが挙げられます。

ソシオパスの主な特徴

1. 共感の欠如: 他人の感情に対する理解や共感が乏しい。

2. 自己中心的な行動: 自己の利益を最優先し、他人の感情や権利を無視することが多い。

3. 衝動的な行動: 思慮を欠いた行動をとることがあり、結果を考えないことが多い。

4. 責任感の欠如: 自分の行動に対して責任を持たず、問題を他人や環境に押し付けることがある  。

ChatGPTより

逆に権力を持たない人は、自信を持たない、意見を言うことを躊躇う、自分を小さく見せ、自らの知性を過小評価するようになる。

そして、権力を持つものと持たざる者との間に、大きな差が生まれれる。

第12章 啓蒙主義が取り違えたもの

資本主義は、「人は利己的である」という前提で、利益を最大化することを肯定している。

「利己的である」は「冷笑的である」とも言い換えられる。

それは、裏返すと、資本主義は、「他人は信頼できない、してはいけない」という前提で社会が構築されているということ。

第13章 マネジメントをしないマネージャー

この社会の構造は、「労働者=信頼できない」が基本にある。

だから、管理者は、労働者が怠けないように、飴(報酬)や鞭(罰)を使って、働かせている。

それは、資本主義も社会主義も変わらない。

違うのは、その方法。

資本主義は報酬を使い、労働者を働かせる。社会主義は罰を使って働かせている。

しかし、実際、労働者は本質的に怠け者なのだろうか?

世界には、管理者が存在しない企業がある。

オランダのビュートゾルフには管理者が存在しない。

報酬や罰といった、外的要因ではなく、「そうしたいからそうする」という内的要因で動く人材こそ、これからの社会に必要ではないのだろうか?

「人を信じる企業はうまくいく」

第14章 ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)

我々には遊びが不足している

現代の教育システムは構造化されていて自由がない。当然、遊びもない。

現代は、子供に対して、「遊び」の要素を徹底的に排除された環境になっている。

個人主義、成果主義の背景から、「遊び」は悪であると考えられている。

遊びのない世界は、既成概念を破ろうとしない、夢を見たり、冒険したり、大胆な行動を取らない人間を育ててしまう。

第15章 民主主義はこんなふうに見える

民主主義の7つの疫病

  1. 冷笑
  2. 両極化
  3. 除外
  4. 満足
  5. 汚職
  6. 利己主義
  7. 不平等

コモンズ(共有主義)は敬遠されがちであるが、それはソビエトのイメージがあるから。

資本主義の国でも多くの共産主義的行動が内在している。(公園、家庭、会社等々)

他人に対しても、一部コモンズ的傾向はある。

私たちは、人と共有しているものを大したものであると考えない。このことが、多くの共有に気づかない原因。

元々、全てのものは共有財産であった。定住により、それが変化し、多くのコモンズが企業などに独占されている。

まとめ

長くなりましたので、10章から15章で一旦区切り、別記事で16章から18章について書きたいと思います。