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死の概念を変える「ゼロ・ポイント・フィールド」

この記事について

「死は存在しない」(田坂広志著)を読んだ感想を書いています。

この本と、ガンダムの「ニュータイプ」と、鋼の錬金術師の「真理の扉」について書いています。

この本の感想

まず、最初にこの本の感想です。

この本の感想を一言で伝えるのなら、「死後の世界を想像できる本」です。

大事な人を亡くして辛い思いをしている人、生きるのが辛いと感じる人、そんな方に読んでほしいです。

自分は「なぜ生きているのか」という人間の最大の問いの答えを導くためのヒントとなるような本だと思います。

この本の表紙には最先端量子科学とか書いてあるので、ものすごく難しい本に見えますが、読んでみると、全然そんなことはありません。どちらかというと、優しい哲学書のような感じがします。

父を亡くした自分も、この本を読んで少し心が軽くなったというか、違った視点を得た気がします。

違った視点と言うより、死後の世界という眉唾的な話が、科学的にあると信じられるようになったということです。

この本は死後の世界を証明している訳ではないのですが、考え方によれば、ゼロ・ポイント・フィールドが死後の世界であるとも考えられます。

いつでも、誰とでも一緒にいる、そんな感覚を与えてくれます。

ゼロ・ポイント・フィールド

この本の中心となるがこの、「ゼロ・ポイント・フィールド」仮説です。

初めて聞く方も多いのではないかと思います。

自分も、初めて聞きました。

簡単に言うと

「宇宙のすべての出来事のすべての情報が「記録」されている」場所が、「ゼロ・ポイント・フィールド」です。

詳しいことは、この本や、他の書籍で確認して下さい。

自分には細かい説明や、原理はわかりません(笑)

そんな、SFみたいな話、信じられるわけないと思うのですが、科学的にそのような場が存在するという理論です。本書の中では、それが存在するという理論が述べられていますが、理系ではない自分にはさっぱりでした。

「宇宙のすべて、出来事のすべて」が記録される場なので、当然宇宙の中に住んでいる人間もその中に含まれます。

世の中の不思議体験も全てこの仮説で説明がつく

この仮説のすごいところは、世の中の不思議体験をすべて説明できることです。

臨死体験や、予知夢、直感、既視感等々、未だに解明されていない人間が体験する不思議な体験があります。その体験がどうのようの起こるのか?もそうですが、なぜ起こるのか?もわからない状況にあります。

たとえ、脳の作用だったとしても、それがなぜ、現象として起きるのか。

不必要な現象は人間の進化の過程で淘汰されて良いはずなのに。

それには、何か理由がある。と言うのには同感です。

その理由をこの仮説ではしっかりと答えています。

正しいかどうかは不明ですが、筋はしっかり通っていて、なるほど。確かにそうかも。って思いました。

全てはゼロ・ポイント・フィールドに干渉して起こる現象

こちらも、詳しくは本書を読んでもらいたいのですが、全ては「ゼロ・ポイント・フィールド」と自分の意識が干渉したために起こるみたいです。

先にも述べたように、このフィールドには、すべての記憶があります。宇宙の記憶なので、今まで生きてきた人々の記憶も一人残らずここには蓄積されています。

面白いのは、宇宙創造から現在までの記憶のすべでなのですが、そこから生まれる想定可能な未来もそこには存在しているとしています。実質的には、過去、現在、未来と繋がることを意味しています。

そこへ、人間の無意識が繋がることによって、必要な情報を得ることがあるのだと言います。

意識の5つの階層とゼロ・ポイント・フィールド

ゼロ・ポイント・フィールドに繋がるにはどうするのか?と疑問ですが、それを理解するには人間の5つの意識領域を知る必要があります。ちなみに、この階層はトランスパーソナル心理学からの引用のようです。以下は、当書からの抜粋です。

  1. 表面意識 【日常生活の雑音に溢れた世界】
  2. 静寂意識 【祈りや瞑想によって生まれる世界】
  3. 無意識 【運気の引き寄せが起こる世界】
  4. 超個的無意識 【無意識と無意識が繋がる世界】
  5. 超時空的無意識 【時間と空間を超えて繋がる世界】

引用 「死は存在しない」 田坂広志著

普段、我々が生活している時の意識は、❶の表面意識です。ここでは自我(エゴ)が中心となっていて、怒りや不安などネガティブな思念が渦巻く世界です。このネガティブ思念が雑音となって意識が「ゼロ・ポイント・フィールド」に繋がるのを妨げている。みたいです。

❷は祈りや瞑想によって自我(エゴ)が抑えられている世界で、雑音も少なく、「ゼロ・ポイント・フィールド」に繋がりやすい世界です。瞑想や祈りで神秘的な力を得るというのは、「ゼロ・ポイント・フィールド」に繋がり情報を得た結果みたいです。

❸は無意識の領域で、深層心理と言われる部分だと思います。自分では気づいていない自分の本質の部分。この意識が強く思っている物事が表面意識に影響を与えているみたいです。自分が嫌だと思うことを選択してしまうのは、実は深層心理がそれを強く願っているから。なんてことが、色々な本に書かれていますね。

❹無意識のさらに奥に、「ゼロ・ポイント・フィールド」に繋がっている世界で、「ゼロ・ポイント・フィールド」に繋がっていると言うことは、全人類と繋がっていることでもあるので、他人とのシンクロが起こったりするようです。

❺そのさらに奥に意識が「ゼロ・ポイント・フィールド」と結びついた世界があって、ここでは、個人と繋がるのではなく、時空と繋がる領域みたいです。

正直、❶から❸ぐらいまでは何とか想像できますが、❹以下は規模がデカすぎて理解が及ばないです。特に、❺は・・・。

ニュータイプとゼロ・ポイント・フィールド

❹については、アニメで例えると、ガンダムのニュータイプがこの領域なのかな。って思います。

個人個人が、テレパシーのように意識で繋がっていて、以心伝心のように互いを理解できる。そして、少し先の未来も見えている状態でもあるのは、「ゼロ・ポイント・フィールド」と繋がっている状態で、すべての情報を得られるので、近未来を予想できているのではないでしょうか。

シャアが言っていましたよね。「私にも敵が見える」と。

ジオン・ダイクンはすべての人類を「超個的無意識」さらには「超時空的無意識」の領域まで人類を導こうとしていたのですね。

当時から、この領域に目をつけていた作者の富野さんは凄いなと改めて感じます。

真理の扉とゼロ・ポイント・フィールド

続いてもアニメの話になるのですが、鋼の錬金術師で「真理の扉」というものが出てくるんです。

その扉の奥には、真理があって、その真理から、ある物質を他の物質へ変換する全ての知識があります。

そこにアクセスできる人が、錬成陣なしに錬成できるというものです。

「真理の扉」には、全ての情報があります。

そう、ゼロ・ポイント・フィールドです。

この鋼の錬金術師には、ワンネスという「宇宙とその中のすべての存在が一体であり、互いに繋がっている」という概念が出てきます。

宇宙と世界の間に「真理の扉」があって、それに触れた人だけが、真理(錬金術の全て)を知ることが出来るということです。

スピノザとゼロ・ポイント・フィールド

哲学者のスピノザも「神即自然」というゼロ・ポイント・フィールドと似た概念を提唱しています。

神=自然(宇宙)であり、宇宙の構成要素である我々は、宇宙の一部である。

すなわち、神の形式を変えたものが、私たちである。

人間だけではなく、存在する全てのものが、神である。

という、概念です。

まとめ

今回はゼロ・ポイント・フィールド仮説について、「死は存在しない」(田坂広志著)を読んだ知識をベースに書いてみました。

私の知的レベルでは、全てを理解することはできませんが、そんな自分でも、その領域がないことを否定できなことだけは理解できます。

きっとあるんだろうな。と思います。

そして、自分が死んだ後もそこで永遠に記録として存在するのだろうと思います。