家族療法とシステミックアプローチ

家族全体を一つのシステムとして捉え、個人の問題を家族内の相互作用から理解する心理療法の枠組みです。これらは行動心理学やキャリア相談とも関連し、問題の循環性を重視します。

システミックアプローチ

家族療法の基盤となる考え方で、家族全体を一つの動的なシステムとして捉え、個人の問題を家族内の相互作用のパターンから理解・介入する手法です。

基本概念

家族療法は、家族を「システム」として扱い、円環的因果律(相互作用が問題を維持する循環)を基盤とします。

例えば、子どもの不登校が親の叱責→反発→不登校のループを生む場合、個人原因ではなく家族全体のパターンを変えます。

IP(Identified Patient)は症状を持つ人を指し、その問題は家族システムの反映と見なされます。

直線的因果律(単一原因)に対し、円環的視点が特徴です。

開放システム

家族療法のシステミックアプローチでは、家族を開放システムとして捉えます。

家族システムは外部環境(学校、職場、社会規範)と絶えず相互作用し、エネルギーや情報を交換します。

例えば、子どもの不登校が家族内の問題維持連鎖を生む一方、学校の影響や親の職場ストレスがシステムにフィードバックされ、変化を促します。

​閉鎖システムのように外部影響を遮断せず、ノンリニアな循環過程(問題維持連鎖)が外部要因で変容可能で、これを治療で活用します。

サブシステム

サブシステムは、家族療法(特に構造派)で家族システム内の下位単位を指し、夫婦・親子・兄弟姉妹などの機能的グループです。

家族全体を一つのシステムと見なし、その中で世代・性別・役割・関心事により自然に分化・形成されます。

各サブシステムは独自のルールと結束を持ち、家族の安定を支えます。

例えば、夫婦サブシステムは子育てを担い、兄弟サブシステムは遊びや競争を担います。

サブシステム同士は境界で区切られ、明確さが健全性の鍵です。

境界が曖昧(過度に融合)だと母子連合が生じ、明確すぎ(分離)だと孤立を招きます。

治療では境界再編で機能回復を図ります。

適応過程

家族システムが内部変動や外部環境変化(例: ライフイベント、危機)に対し、動的に対応してホメオスタシス(安定状態)を維持・回復しようとする継続的なプロセスを指します。

家族は開放系として外部入力を受け、内部ループ(円環的因果)を調整します。

不健全適応は問題維持連鎖を生み(例: 過保護→依存)、治療では健全適応を促します。