技能士2級 第28回 問5の出題に「CASVEサイクル」についての問題がありましたので、まとめました。
CASVEサイクルとは
「伝達、分析、統合、価値、実行のサイクル」は、主にキャリア理論や認知的情報処理理論(Cognitive Information Processing Theory)において用いられる「CASVEサイクル」(キャスブサイクル)を指します。
このサイクルは、進路決定や問題解決のプロセスを段階的に整理し、意思決定の質を高めるためのフレームワークです。
各ステップは連続的かつ循環的に繰り返され、より良い選択や行動につながります。
CASVEサイクルの概要
CASVEサイクルは、以下の5つのステップから構成されています。
- C: Communication(伝達)
まず、問題や課題が存在することに気づき、それを認識・伝達します。これは「何が問題なのか」「何を決めなければならないのか」という課題の明確化です。自己や他者との対話や情報収集を通じて、問題の輪郭を把握します。
- A: Analysis(分析)
問題や選択肢を詳細に分析します。自分の価値観、能力、興味、環境要因などを整理し、それぞれの選択肢の特徴や影響を客観的に評価します。この段階では、情報の整理や比較が中心になります。
- S: Synthesis(統合)
分析した情報を統合し、新たな選択肢や解決策を創造します。複数の情報を組み合わせて、自分に合った選択肢や行動プランを構築します。このプロセスでは、創造性や柔軟な思考が求められます。
- V: Value(価値)
各選択肢や行動の価値を評価します。自分の価値観や目標、リスク・リターンなどを考慮し、どの選択肢が最も自分にとって意味があるかを判断します。この段階では、主観的な価値判断が重要です。
- E: Execution(実行)
最終的に選択した行動を実行します。具体的な計画を立て、行動に移します。実行後は、その結果を振り返り、次のサイクルに活かすことで学習が進みます。失敗や成功の経験を次回の意思決定に反映させることがポイントです。
サイクルの特徴と意義
CASVEサイクルは、単なる線形プロセスではなく、実行後に得られたフィードバックをもとに再び「伝達」からサイクルを回すことで、継続的な学習と成長が促されます。
特に、キャリアカウンセリングや進路指導の現場では、クライアントが自分の意思決定プロセスを意識的に整理し、より納得のいく選択をできるように支援するためのツールとして活用されています。
実践的な活用方法
- 自己理解の深化:各ステップで自分の価値観や能力を客観的に分析し、自己理解を深める。
- 選択肢の創造:単なる既存の選択肢だけでなく、新たな可能性を統合的に創造する。
- 価値判断の明確化:自分の価値観に基づいた判断を明確にし、後悔の少ない選択を促す。
- 行動の継続的改善:実行後の振り返りを通じて、次回の意思決定に活かす。
このサイクルは、キャリア決定だけでなく、ビジネスや日常生活の問題解決にも応用可能です。
特に、情報の整理・分析・統合・価値判断・実行というプロセスを意識することで、より質の高い意思決定が可能になります。