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第30回 キャリアコンサルティング技能検定2級 学科試験 解答解説を作成しました。

解答は出ていますが、解説がなかったので自分で解答解説作成しています。

解答は自分で調べたので、間違いがあるかもしれません。
間違え等を見つけた場合は、お知らせください。

1記事5問ずつアップしていこうと思います。

設問:36

正解:4

選択肢1:不適切
目標設定はカウンセラーが一方的にカウンセリング方針を決めるものではなく、クライエントと共に協働して行うプロセスです。カウンセリングの安心感はラポール形成によって生まれ、目標設定はその後に続く共同の営みとなります。

選択肢2:不適切
目標を具体的に設定することは、長期的・短期的視点を整理し、行動の動機付けを高めるために重要です。具体的な目標はクライエントのやる気の維持に寄与するため、目先のことばかりに注意が向くというのは誤った理解です。

選択肢3:不適切
カウンセリングが目標設定の段階まで進んでも、担当者が対応困難と判断した場合は、適切なタイミングでリファー(他専門家への紹介)すべきです。適切な支援環境を確保することが優先されます。

選択肢4:適切
クライエントの意志が弱かったり、努力の継続が難しい場合には、カウンセラーとクライエントの間で契約書(同意書)を取り交わすことがあります。これにより目標達成に向けた責任の共有や行動の約束が形式的に明確化され、支援の効果を高めることができます。

設問:37

正解:4

選択肢1:不適切
ラポール形成は相談を進める上で不可欠な基盤ですが、その後すぐに職業理解支援に入るのが原則とは限りません。相談者の状況や課題に応じて、自己理解支援や問題把握など段階的に進行します。

選択肢2:不適切
啓発的経験とは、相談者が職務経歴書の書き方の支援を受けながら自己経験を振り返り気づきを得ることではなく、職場見学やインターンシップのような実際の体験を通じて新たな気づきを促す経験を指します。

選択肢3:不適切
意思決定支援では、長期的・短期的な視点をバランスよく考慮しながら、相談者の価値観や状況に合った最適な選択を検討することが重要であり、短期的な目標だけに絞るのは望ましくありません。

選択肢4:適切
相談者が実行する方策の進捗状況を把握し、その状況理解の促進と今後の進め方や見直しについて適切に助言することは、支援の効果を高める上で不可欠なスキルです。これにより相談者の自己管理力向上や目標達成に繋がります。

設問:38

正解:1

選択肢1:適切
キャリア・アンカーは、個人がキャリアの選択を迫られた際に、最も放棄したがらない価値観、能力、欲求のことであり、変わらない自分の「軸」となるものです。これは組織心理学者エドガー・H.シャインによって提唱された概念で、キャリア形成における重要な指標となります。

選択肢2:不適切
これは、エンプロイアビリティの説明です。コンピテンシーとは、高い成果を出す人に共通して見られる「行動特性」を指す概念です。単なる知識やスキルとは異なり、その知識やスキルを発揮するための思考や行動パターン、価値観などを含みます。1990年代から人事評価や人材育成の分野で注目され、高業績者の行動特性を分析して言語化し、組織運営や採用、研修に活用されています。コンピテンシーは、「目標達成能力」や「課題解決能力」など、職務で結果を出す力を示し、個人のパフォーマンスに直結する能力群とされます。

選択肢3:不適切
これは、コンピテンシーの説明です。職業適合性とは、個人の能力や性格などの特性と職業や職務の要件との適合度を指す概念です。具体的には、働く人がその職場や職務に求められる能力・スキル・価値観・性格などを持ち、組織の文化や環境に適応できるかどうかを示します。これは「課題や目標に対して正確に対応できる能力や知能、性格を要している」状態とされ、自分に合った職業に就くことでやりがいや満足感が得られ、業務の遂行や継続がしやすくなることが期待されます。

また、アメリカの心理学者ドナルド・E・スーパーの理論では、職業適合性は大きく「能力(知能や技量)」と「パーソナリティ(適応力、価値観、興味、態度)」の二つの要素から構成されるとされています。これにより、適性の有無を判断し、個人の職業選択や職場環境への適応を支援する際の重要な指標となります。

選択肢4:不適切
これは、職業適合性の説明です。エンプロイアビリティとは、「雇用され得る能力」のことで、英語のEmploy(雇用する)とAbility(能力)を組み合わせた造語です。個人が職業能力を維持・向上させ、就職や転職市場で競争力を保つ能力を意味し、専門知識やスキルだけでなく、問題解決力、コミュニケーション能力、チームワーク、柔軟性などの社会人基礎力も含まれます。

設問:39

正解:1

選択肢1:適切
VPI職業興味検査は、ホランド(Holland, J. L.)が開発したVPIの日本版であり、6つの興味領域(現実的・研究的・芸術的・社会的・企業的・慣習的)と5つの傾向尺度(自己統制・男性-女性・地位志向・稀有反応・黙従反応)によって結果がプロフィールとして示されます。​

選択肢2:不適切
職業レディネス・テスト(VRT)は、ホランド理論に基づく6つの興味領域に対する職業興味を測定しますが、「職業分野で必要とされる適性能」を測定する検査ではありません。適性能はVRTの主目的ではありません。

選択肢3:不適切
VRTカードはVRTの項目をカード形式にしたガイダンスツールですが、測定できるのは6つの興味領域に対する職業興味のみであり、「基礎的志向性」は測定できません。

選択肢4:不適切
厚生労働省編一般職業適性検査(GATB)は、合計15種類の下位検査から構成されており、そのうち11種類が紙筆検査(筆記検査)、4種類が器具検査を行い9つの適正能を測定する。

設問:40

正解:3

ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)(厚労省HP)

選択肢1:適切
「ポータブルスキル見える化ツール」で取り上げられているスキルの要素は、「仕事のし方」と「人との関わり方」の2つの視点から構成されています。これはツールの特徴の一つです。

選択肢2:適切
このツールはキャリアコンサルタントなどの支援者が、求職者や相談者に対して相談支援を行う際に活用することを前提に設計されています。

選択肢3:不適切
「ポータブルスキル見える化ツール」は主にミドルシニア層のホワイトカラー職種向けに開発されており、全ての職種・年齢層の労働者が対象ではありません。したがって、この記述は不適切です。

選択肢4:適切
ツールは相談者の専門能力や興味・価値観を踏まえた診断ではありません。そのため、想定していなかった職務や職位が結果として提示されることがあります。

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