この記事について
第30回 キャリアコンサルティング技能検定2級 学科試験 解答解説を作成しました。
解答は出ていますが、解説がなかったので自分で解答解説作成しています。
解答は自分で調べたので、間違いがあるかもしれません。
間違え等を見つけた場合は、お知らせください。
1記事5問ずつアップしていこうと思います。
設問:26
正解:2
選択肢1:不適切
スーパーのキャリア発達理論は、特性因子論と自己概念理論を統合し、生涯にわたる発達を重視するものであり、職業行動を差異心理学、発達心理学、力動心理学から包括的に捉える理論とは異なる。
選択肢2:適切
維持段階では、仕事の活動を安定的に続けることが課題であり、経験を若い同僚に伝えるメンターなどの役割を担うことが多い。
選択肢3:不適切
職業に対する好みやコンピテンシーは生涯に渡り変化しうるものであり、生まれつき固定されているわけではない。
選択肢4:不適切
スーパーの理論における確立段階は35歳ごろを指し、65歳以上は衰退期として位置付けられている。
設問:27
正解:3
選択肢1:不適切
スーパーのキャリア発達理論におけるライフ・ステージモデルは階段状ではなく、5段階からなる連続的な「マキシ・サイクル」として表される。
選択肢2:適切
キャリア成熟は成長から解放までの一連のライフ・ステージおよびサブステージでの職業的発達の程度を示す。
選択肢3:不適切
キャリア発達を表す2軸は「ライフスパン(時間軸)」と「ライフスペース(生活の役割軸)」であり、「ライフストラクチャー」という用語は誤りである。
ライフストラクチャーは、アメリカの心理学者ダニエル・レビンソン(Daniel Levinson)が提唱したものです。レビンソンは成人の発達段階や人生を複数の発達期と過渡期に分けて人生のライフサイクルを分析しました。この理論は人生における「ライフストラクチャー(人生構造)」という概念を中心に、人生の発達段階を約25年スパンの周期で捉え、成人期の発達や中年の危機などを研究しています
選択肢4:適切
ライフ・キャリア・レインボーにおいて「学習者」の役割は40歳以降も現れる場合がある。
【解説】
スーパーの理論は、キャリア発達を生涯を通じた連続的サイクル(マキシ・サイクル)として捉え、時間軸のライフスパンと役割軸のライフスペースの2次元で表現する。
ライフ・キャリア・レインボーは複数の社会的役割の重なりを示す概念で、年齢に関わらず重要な役割が含まれるため、学習者役割が40歳以降も現れることは理論上妥当である。
設問:28
正解:2
選択肢1:不適切
シュロスバーグの理論はバンデューラの社会的学習理論に基づくものではなく、成人の転機(トランジション)を中心に捉えた理論である。
選択肢2:適切
シュロスバーグは成人発達を文脈的(文化的)、発達的、ライフ・スパン、トランジションの4つの視点で整理している。
選択肢3:不適切
転機(トランジション)は本人の内面・主観だけに着目したものではなく、人生の役割や日常生活に影響を及ぼす出来事としてとらえている。
選択肢4:不適切
シュロスバーグの転機モデルの4SはSituation(状況)、Self(自己)、Support(支援)、Strategies(戦略)であり、「Supervision」は含まれない。
【解説】
シュロスバーグの転機理論(トランジション理論)は、人生の変化を「転機(トランジション)」として捉え、その個別性や文脈的背景、対応方法を重視する枠組みである。
4Sモデルでは状況の把握、自己の感情理解、支援体制の利用、対応戦略の構築を評価し、キャリアや生活の変化に適応することを目指す。
設問:29
正解:3
選択肢1:不適切
ブリッジズのトランジション理論は、「終焉(終わり)」→「中立圏(ニュートラルゾーン)」→「開始(始まり)」の3段階でプロセスを説明している。したがって、「開始」から「ニュートラルゾーン」を経て「終焉」へ進むという記述は誤り。
選択肢2:不適切
シュロスバーグの理論は、成人の転機をトランジション(出来事)として捉え、発達課題を全成人に共通したものとは限定していない。
選択肢3:適切
ニコルソンのトランジション・モデルは「準備」→「遭遇」→「適応」→「安定化」の4段階の円環サイクルとして捉えており、同じサイクルを繰り返す循環モデルである。
選択肢4:不適切
ユングは「中立圏」という用語は用いておらず、人生の転機における混乱・苦悩の時期として特に定義していない。
【解説】
ブリッジズの理論は人生の転機を心理的に捉えた3段階モデルで、何かが終わった後に混乱の時期を経て新しいスタートを迎える流れを示している。
ニコルソンはこれを発展させ、トランジションを4段階の螺旋的サイクルとして理解している。新しい環境への準備と遭遇、適応を経て安定化し、再び新たな準備へと戻る。
設問:30
正解:2(AとD)
選択肢A:適切
ペアレントトレーニングは、親が児童を行動分析的に客観視し、子どもとの関わり方を改善することで家庭での支援を強化する心理教育的アプローチであり、効果的に発達障害児の支援に役立つ。
選択肢B:不適切
ASD(自閉症スペクトラム障害)は根本的な進行疾患ではなく、薬物療法は症状緩和に用いられるが進行を遅らせることはできないため、医療機関支援が中心とは限らない。
選択肢C:不適切
多くの発達障害の人は自身の特性を理解し、自覚を持つことができ支援効果が高まるため、本人への助言や指導は有効である。
選択肢D:適切
二次障害は発達障害の困難さや周囲の無理解が重なり、うつや不安など心身の問題が生じる状態を指し、適切な支援が重要である。
【解説】
発達障害への支援には家族支援も重要な柱であり、ペアレントトレーニングは親の関わり方の質を高め子どもの行動改善や家族機能の向上に寄与する。
ASDは薬物治療で成長や進行を止めることはできず、療育・環境調整が中心の支援となる。
本人の自己理解は支援効果に直結し、本人参加型のアプローチが推奨される。
また、二次障害の理解と早期対応は、発達障害を持つ人のQOL向上に不可欠な要素である。
2級技能士 解説リンク集
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