動機づけ面接とは
動機づけ面接とは、クライアント自身の内的な動機を引き出し、変化への意欲を高めて行動変容を促進するカウンセリング技法です。
これは、共感的理解を基本とし、クライアントが自ら変わろうとする心の動きを尊重しながら、自己効力感を強化して変化を支援します。
動機づけ面接は、指示的なアプローチではなく、クライアント中心の対話を通じて、変わりたい気持ち「チェンジトーク」を引き出し、自発的な決意を促すことを目標としています。
主な技法としては、OARSと呼ばれる4つのスキル(開かれた質問、共感的な傾聴、承認、要約)を用いて、クライアントの抱える変化への迷いや抵抗(両価性)を探り出し、それを解消しながら動機づけを高めていきます。
クライアントが自分の価値観や目標に基づいた行動を選択できるようサポートし、変化のための意欲を自然に引き出すことが特徴です。
特に、アルコール依存症などの行動変容が必要な状況で効果的であるほか、さまざまな心理的・行動面の問題に対して応用されます。
全体の面接は、共感的な対話を通じて、クライアントが自らのペースで変化を進めることを支援することに重点が置かれています。
動機づけ面接の4つの原理
- 共感を表現する
カウンセラーはクライアントを正確に理解し、その内容をクライアントと共有します。共感的理解を通じて信頼関係を築きます。 - 矛盾を広げる
クライアントの「こうありたい自分」と「現状」の矛盾(両価性)を明らかにし、その矛盾が変化を促す動機となるよう認識を深めます。 - 言い争いを避ける
抵抗的な態度や反論は避け、クライアントの自己決定を尊重しながら対話を進めます。押し付けたり説得したりするのではなく共感的に関わります。 - セルフエフィカシー(自己効力感)を支持する
クライアントが自分の力で変化を成し遂げられるという自己効力感を支え、励まします。
これらの原理によって、クライアントが自分で変わろうとする動機を自然に引き出し、変化への準備を支援することが動機づけ面接の核となります。



