日本版デュアルシステムとは、「働きながら学ぶ、学びながら働く」ことを基本理念とした若者向けの職業訓練システムです。
具体的には、企業での実習やOJT(職場内訓練)と、これに密接に関連した教育訓練機関におけるOFF-JT(座学などの教育訓練)を並行して行う仕組みで、若者を一人前の職業人として育成することを目的としています。
もともとはドイツ発祥のデュアルシステムを参考にしており、日本では文部科学省と厚生労働省が連携して2004年頃から展開を始めています。
増加する若年層のフリーターやニートの支援、高卒者の就職困難の解決策として注目され、実践力のある人材育成や就職支援の効果が期待されています。
特徴としては、企業での実習を大幅に取り入れることで、即戦力につながる能力を身につけさせ、訓練修了時に能力評価を行うことで、採用時に企業が適正に評価できる点が挙げられます。
また、若年者が賃金を得ながら訓練できる雇用形態の活用も可能です。
用途としては、主に公共職業訓練施設や専門高校・専門学校などが座学と企業での実習を組み合わせて実施しており、複数のコースが用意されています。
全体として、日本版デュアルシステムは若者の職業能力向上および就職促進のための実践的な職業訓練制度と位置づけられています。