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ポリテクセンター(職業能力開発促進センター)
ポリテクセンターは、主に「ものづくり分野」を中心とした職業訓練を提供する、国が設置・運営する公共の職業訓練施設です。
運営主体は「独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)」で、全国の多くの都道府県に設置されています。
主な役割・特徴
- 再就職支援:離職者(求職者)を対象に、再就職に必要な技能・技術を習得するための職業訓練を実施しています。
- 在職者向け訓練:中小企業などで働く在職者を対象に、スキルアップや人材育成のための高度な職業訓練も行っています。
- ものづくり分野に強み:機械、電気、電子、金属加工、ビル管理、住宅リフォームなど、ものづくり関連の分野に特化したコースが充実しています。
- 託児サービス:子育て中の方も利用しやすいように、託児サービス付きの職業訓練も提供されています。
- 雇用保険受給者の支援:雇用保険受給者が訓練を受講する場合、受講期間中は雇用保険の受給期間が延長されるなどの支援があります。
訓練コース例
コース名 | 内容例 | 目指せる職種例 |
---|---|---|
テクニカルオペレーション科 | CAD、機械組立、工作機械の操作 | CADオペレーター、NC工作機械工 |
金属加工科 | 溶接、機械板金、プレス加工 | 溶接工、機械板金工 |
電気設備技術科 | 電気配線、電気設備CAD、屋内配線工事 | 電気工事士、設備保全者 |
ビル管理技術科 | 給排水設備、空調設備、変電設備の保守管理 | ビル管理技術者 |
住宅リフォーム技術科 | 木材加工、建築CAD、内外装工事 | リフォーム施工技能者 |
ほかの職業訓練校との違い
- ポリテクセンターは国(JEED)が運営し、特にものづくり分野の高度な訓練に強みがあります。
- 職業能力開発センター(都道府県設置)は、地域の産業ニーズに応じた幅広い訓練を実施していますが、東京都にはポリテクセンターはなく、都立職業能力開発センターが同様の役割を担っています。
その他
- 「ポリテク」は「ポリテクニック(polytechnic)」の略で、欧米の高等職業教育機関とは異なり、日本では主に職業訓練施設を指します。
- 訓練は原則無料(テキスト代等は自己負担)で、訓練期間はコースにより3か月~2年程度です。
ポリテクセンターとハローワークの関係
基本的な関係
- ハローワーク(公共職業安定所)は、求職者に対して職業紹介や雇用保険の手続き、職業訓練の案内など幅広い就労支援を行っています。
- ポリテクセンター(職業能力開発促進センター)は、主に「ものづくり分野」を中心とした職業訓練を提供する国の施設です。
- 両者は「公共職業訓練」を通じて密接に連携しており、ハローワークが窓口となってポリテクセンターの訓練コースを紹介・斡旋します。
具体的な連携内容
- 訓練コースの申込窓口
ポリテクセンターで実施される多くの職業訓練コースは、原則としてハローワークを通じて申込みます。申込書の提出や相談は、居住地を管轄するハローワークで行います。 - 雇用保険受給者の支援
ハローワークで求職登録し、雇用保険を受給している方は、訓練受講中も各種手当(基本手当、受講手当、通所手当など)を受けながら訓練を受講できます。 - 職業訓練の案内・ガイダンス
ハローワークでは、ポリテクセンターを含む各種職業訓練の説明会やガイダンスを実施し、希望者に情報提供や進路相談を行っています。 - 就職支援の連携
訓練修了後の就職活動も、ハローワークとポリテクセンターが連携してサポートします。求人情報の提供や面接指導など、両機関で一体的な支援が受けられます。
役割分担のイメージ
機関 | 主な役割 |
---|---|
ハローワーク | 求職者登録、職業相談、訓練案内・申込、就職支援 |
ポリテクセンター | 職業訓練の実施、技能習得支援、訓練中の就職サポート |
まとめ
- ポリテクセンターの訓練を受けたい場合、まずハローワークで相談・申込を行う必要があります。
- ハローワークは、訓練受講のための窓口であり、訓練中・修了後の就職支援も担っています。
- 両者は「公共職業訓練」を通じて、再就職やスキルアップを目指す人を一体的にサポートしています。
このように、ハローワークとポリテクセンターは、職業訓練と就労支援の両輪として密接に連携しています。