この記事について
社会的学習理論のところで、オペラント、レスポンデント条件付けの話が出てきます。
これは、どちらも行動を促すための条件です。
自分は、パブロフの犬の例も、スキナーのネズミ実験も、どちらも同じように思えて、混乱してしまいました。
ですので、その違いを整理してみようと思います。
整理した結果、違いは行動が意識的か否かにありそうです。
オペラントとレスポンデントの違い
オペラントとレスポンデントは、行動心理学で使われる「行動の種類」の区別です。それぞれの違いをわかりやすくまとめます。
基本的な違い
項目 | レスポンデント (古典的条件づけ) | オペラント (道具的条件づけ) |
---|---|---|
刺激と反応の関係 | 刺激が先にあり、その結果として反応が起こる(受動的) | 反応(行動)が先にあり、その結果として刺激(報酬や罰)が与えられる(能動的) |
行動の性質 | 不随意的 (反射的、無意識的) | 随意的 (自発的、意識的) |
代表的な例 | パブロフの犬の唾液分泌、恐怖症など | スキナー箱のネズミのレバー押し、「お手」などのしつけ |
条件づけの主な方法 | 中性刺激と無条件刺激を繰り返し対提示 | 行動に対して報酬や罰を与えることで強化・弱化する |
具体例
レスポンデント(古典的条件づけ)
例:パブロフの犬で、ベルの音(中性刺激)とエサ(無条件刺激)を何度も一緒に提示すると、ベルの音だけで唾液が出るようになる。
これは「刺激→反応」という流れで、反応は自分の意思とは関係なく起こる(反射的)。
オペラント(道具的条件づけ)
例:犬が「お手」をしたときに褒めると、「お手」を自発的にするようになる。
これは「行動→結果(報酬や罰)」という流れで、行動は自分から起こす(自発的)。
弁別刺激→反応→強化子という3項の関係(=3項随伴性)
まとめポイント
- レスポンデントは「受動的な反応(反射)」で、刺激が先にあって自動的に反応が起こるもの。
- オペラントは「能動的な行動」で、自分から行動し、その結果によって行動が強化されたり弱化されたりするもの。
この違いを押さえると、行動の学習やしつけ、心理的な反応の理解がぐっとしやすくなります。