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育児休業の概要
育児休業(育休)とは、原則として1歳未満の子どもを養育するために、労働者が取得できる休業制度です。
これは「育児・介護休業法」に基づき、正社員・契約社員・パートタイマーなど雇用形態を問わず、一定の条件を満たせば男女ともに取得できます。
企業は申し出を拒否できず、就業規則に規定がなくても取得可能です。
取得できる期間
- 原則:子どもが1歳の誕生日の前日まで
- 延長:保育園に入れないなど特別な事情がある場合、最長で2歳まで延長可能
- 両親とも取得する場合(パパ・ママ育休プラス):子が1歳2か月に達する日まで取得可能
- 2022年以降は2回まで分割取得も可能
申請・手続き
育児休業給付金
- 雇用保険の被保険者であれば、育児休業中に「育児休業給付金」が支給されます
- 支給額は、休業開始から180日間は賃金の67%、181日目以降は50%(2025年4月からは一部条件下で手取り10割相当も可能)
休業中の待遇・復職
- 育児休業中は原則無給ですが、給付金や社会保険料の免除など経済的支援があります
- 育児休業取得を理由とした解雇や不利益な取り扱いは禁止されています
- 復職後は原職または同等の職務に復帰する権利があります
2025年の法改正ポイント
- 子の看護休暇の拡充(対象が「小学校3年生修了まで」に延長、取得理由も拡大)
- 所定外労働(残業)の制限対象拡大
- 短時間勤務制度の柔軟化、テレワークの追加
- 育児休業取得状況の公表義務拡大(従業員300人超の企業など)
- 仕事と育児の両立を支援するための新たな措置が義務化
その他の関連制度
- 産後パパ育休(出生時育児休業):子の出生後8週間以内に最大4週間、2回まで分割取得可能。休業中も一部就業が可能
- 短時間勤務:3歳未満の子を養育する労働者は1日6時間の短時間勤務を選択可能
- 子の看護休暇:小学校就学前までの子ども1人につき年5日、2人以上で年10日まで取得可能(2025年の改正で「小学校3年生修了まで」に延長)
まとめ
育児休業は、子育てと仕事の両立を支援するための重要な制度であり、男女ともに取得が推奨されています。
2025年の法改正でさらに柔軟な働き方や取得しやすい環境が整備され、企業にも環境整備や情報公開などの新たな義務が課されています。
育児休業を活用し、安心して子育てと仕事を両立できる社会を目指す動きが進んでいます。
育児休業の延長について(2025年4月以降の最新ルール)
育児休業(育休)は原則、子どもが1歳になるまで取得できますが、一定の条件を満たせば最長で2歳まで延長可能です。
延長できる主なケース
- 保育所等に入所できない場合
1歳の誕生日以降も保育園等に入れない場合、まず1歳6か月まで延長できます。さらに引き続き入所できない場合、最長で2歳まで延長できます。 - 養育予定者の死亡・疾病・離婚等、やむを得ない事情がある場合
養育する人が病気や事故、離婚などで養育できなくなった場合も延長が認められます。
2025年4月からの主な変更点(厳格化)
2025年4月以降、育児休業給付金の延長手続きが厳しくなります。
主なポイント:
- 「速やかな職場復帰の意思」が必要
保育所等の利用申し込みが、復帰の意思をもって行われていることが求められます。 - 必要書類が増加
これまでの「入所保留通知書」に加え、「保育所申込書のコピー」や「延長事由認定申告書」などが必要になります。 - 落選狙いの申請は不可
ハローワークが「落選狙い(わざと入りにくい園だけに申し込む等)」でないか確認します。自宅や職場から30分以内の保育園を希望しているか、内定辞退をしていないかなども審査対象です。
延長の申請手続き
- 保育所等への申込
1歳の誕生日までに保育園等へ入所申請を行う必要があります。 - 入所保留通知書の取得
保育園に落選した場合、市区町村から「入所保留通知書」等が発行されます。 - 会社・ハローワークへの申請
必要書類(保留通知書、申込書のコピー、延長理由の申告書など)を会社経由または直接ハローワークへ提出します。
まとめ
- 育児休業は原則1歳まで、保育園に入れない等の場合は最長2歳まで延長可能です。
- 2025年4月以降は、延長のための手続きや審査が厳格化され、必要書類も増えます。
- 延長を希望する場合は、早めに保育所申込や書類準備を進め、会社や自治体、ハローワークに相談しましょう。