理論

実存療法

この記事について

実存療法について、少し詳しく調べてみました。

試験では選択肢の1つとして出る程度で、セットではフランクル、ロゴテラピーという語と一緒に出てくることが多いです。

実存療法とは

実存療法(Existential Therapy)は、クライエントが自分自身の「存在の意味」や「生きる意味」を問い直し、主体的に人生を選択し責任を持つことを支援する心理療法です。

哲学的な実存主義に基づきますが、哲学そのものではなく、個々人が人生の根本的な問いや不安にどう向き合うかを重視します。

理論的背景と主な理論家

  • ハイデガー:「人間を現存在(ダーザイン)」と捉え、存在そのものへの問いを重視。
  • ヤスパース:「限界状況」(死や苦悩、罪など)に直面したときに人間の実存が問われるとした。
  • ルートヴィヒ・ビンスワンガー:現存在分析を提唱し、その人固有の存在の仕方を理解しようとした。
  • ヴィクトール・フランクル:ロゴセラピーを創始し、「意味への意志」という概念を強調。極限状況でも人は生きる意味を見出すことができるとした。
  • ロロ・メイ:アメリカに実存主義心理療法を広め、「不安は自己実現への契機」と捉えた。
  • アーヴィン・ヤーロム:実存的精神療法を小説や臨床で紹介。

実存療法の特徴

  • 固有性の重視:クライエントを唯一無二の存在として尊重する。
  • 意味の探求:悩みや症状を「自分らしい生き方」を模索する過程と捉える。
  • 自由と責任:自分の人生を選択する自由と、その結果への責任を強調。
  • 実存不安へのアプローチ:人生や存在の意味が見出せない不安(実存不安)に向き合う。

具体的な技法

  • ロゴセラピー(フランクル):意味の発見を支援する。「逆説志向」「脱反省」などの技法がある。
  • 現存在分析(ビンスワンガー、ボス):その人固有の存在の仕方を理解し、自由な人間的出会いを重視。
https://shasha-blog.com/2025-5-15

効用と限界

効用限界
実存不安や空虚さを抱える人に有効。
主体的な選択と決定を支援し、自分らしく生きる力を育む。
分析的記述やセラピストの態度が優先され、専門的技法が体系化されていない面がある。

実存療法が重視する主なテーマ

  • 死、自由、孤独、人生の意味、責任、選択、不安など。
  • 「今ここにいる自分」の主体的な意思決定や選択を促す。

まとめ

実存療法は、人生の根本的な問いや不安に直面する人が、自分自身の生きる意味を見出し、主体的に人生を選択できるよう支援する心理療法です。

哲学的背景を持ちながらも、実践的にクライエントの「今ここ」に寄り添い、自由と責任、意味の探求を重視する点に特徴があります。

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