過去問関係

第32回 キャリアコンサルティング技能検定 2級学科試験 解答(問6〜10)

この記事について

第32回 キャリアコンサルティング技能検定 2級学科試験 回答解説を作成しました。

解答は出ていますが、解説がなかったので、自分で解答解説作成しています。

解答は自分で調べたので、間違いがあるかもしれません。
間違え等を見つけた場合は、お知らせください。

1記事5問ずつアップしていこうと思います。

問6

正解:4

選択肢1:不適切

スーパー(Super, D.E.)ではなく、ホランド(Holland, J.L.)が、パーソナリティ(性格)および職業(働く環境)の特徴を6つのタイプに分類しました。

選択肢2:不適切

ホランドではなく、バンデューラ(Bandura, A.)が自己効力感に関する4つの情報源の説明です。

選択肢3:不適切

バンデューラ(Bandura, A.)ではなく、スーパー(Super, D.E.)が5段階のライフ・ステージ論を提唱しました。

選択肢4:適切

ジェラット(Gelatt, H.B.)のモデルでは、意思決定は3段階(予期システム、価値(評価)システム、基準(決定)システム)で実施されるとしています。

問7

正解:2


選択肢1:正解

ハンセンは統合的ライフプランニング(ILP)を提唱し、人生の4つの役割として労働、愛、学習、余暇(4L)を挙げています。


選択肢2:不適切

シュロスバーグはトランジション理論を提唱しましたが、「キャリア・ダイナミクス」という概念は主要な理論には含まれていません。
シュロスバーグの理論では、トランジションに対処するための4S(状況、自己、支援、戦略)が重要な概念です。
キャリア・ダイナミクス理論はシャインが提唱したもので、個人と組織の関係性を動的に捉え、キャリア発達を包括的に理解しようとする試みです。


選択肢3:適切

プライアとブライトはキャリア・カオス理論を提唱し、その中で「アトラクタ」という概念を用いています。
人が不確実で複雑な世界に存在しているという事実を受け入れ、キャリアが偶然によって不規則に変化するという視点を持つことを推奨しています。

主要な特徴

  • 偶然性: キャリアにおける偶発的な出来事の影響を重視します。
  • 複雑性: キャリアは複雑で予測不可能であると考えます。
  • 創発性: 過去の経験が新たな意味を生み出すとします。
  • 非線形性: 小さな変化が大きな結果をもたらす可能性があります。


選択肢4:適切

ギンズバーグの職業発達理論では、職業選択の過程を空想期、試行期、現実期の3つの時期に分けています。

問8

正解:4

選択肢1:不適切

動機づけ面接では、変化に向けた気持ちと困難さの両方を認識しますが、特に困難さを重視するわけではありません。

選択肢2:不適切

直接的な指摘ではなく、相談者自身が気づくよう導くことが重要です。

選択肢3:不適切

動機づけ面接では、相談者の気持ちや感情を反映的に聞き返すことが重要で、支援者の感情を表現することは焦点ではありません。

選択肢4:正解

動機づけ面接の4つの原理に関する記述として、最も適切です。

動機づけ面接(Motivational Interviewing, MI)とは、クライエント(相談者)が自ら変化したいという気持ち・動機を引き出し、その行動変容を促すためのカウンセリング技法です。本来はアルコール依存症治療の現場で開発されましたが、現在では医療・心理療法・健康支援・教育などさまざまな分野で活用されています。

主な特徴

  • クライエント中心かつ協働的なコミュニケーションスタイル
  • 相手の「変わりたい気持ち」と「変わりたくない気持ち」などの両価性(葛藤)を尊重しつつ、意欲を引き出す
  • 自己決定権を大切にし、指示や説得ではなく共感を重視
  • 行動の矛盾や葛藤に気づく手助けを行い、変化への意識を高めることを目指す

具体的なポイント

  • クライエント自身の内発的動機の強化によって持続的な行動変容を促すことが中心
  • 支援者は共感・受容を持って傾聴する
  • 指導や説得ではなく「一緒に考え、導く」アプローチである
  • 依存症、生活習慣病の改善、自己成長促進など多様な領域で幅広く応用されている

動機づけ面接の原則例

  1. 共感を表現する
  2. クライエントの矛盾(両価性)を広げる
  3. 抵抗に対して柔軟に対応する
  4. クライエントの自己効力感(自分はできるという感覚)を支援する

このように、動機づけ面接は「相手の中から自然と変わる力を引き出す」ための対話的・協働的な技法です。

問9

正解:1

選択肢1:適切

ダウィスとロフキスト(Dawis, R.V. & Lofquist, L.H.)の職場適応理論では、個人と環境の適合を動的なプロセスと捉えています。個人は、人-環境適合を高めるために環境に働きかけたり、自分のニーズを調整したりするとされています。

職場適応理論(Theory of Work Adjustment, TWA)

ダウィス(Dawis)とロフキスト(Lofquist)は職場適応理論(Theory of Work Adjustment, TWA)を提唱しており、これはP-E fit理論(Person-Environment fit theory)の一種です。

TWAの主な特徴

  1. 仕事を個人と職場環境の相互作用として概念化しています。
  2. 個人と環境の適合(correspondence)を重視しており、これは静的な適合だけでなく、動的なプロセスとしても捉えられています。
  3. 個人の満足度(satisfaction)と環境側の満足度(satisfactoriness)の両方を考慮しています。
  4. 個人のニーズと環境の強化因子(reinforcers)、個人のスキルと環境の要求スキルという2つの対応関係を分析します。
  5. 適合度が高いほど、職場での定着(tenure)が長くなると予測しています。

選択肢2:不適切

この記述はホランド(Holland, J.L.)の理論を説明しています。職場適応理論とは異なります。

選択肢3:不適切

この記述はゴットフレッドソン(Gottfredson, L.S.)の制限妥協理論を説明しています。職場適応理論とは異なります。

制限・妥協理論

この理論は、キャリア選択が「限界と妥協」の過程で行われると主張しています。

主な特徴

  • 現実的制約の考慮
    社会的ステレオタイプや個人的な制約に基づいて職業選択の範囲を狭めていきます。
  • 4つの発達段階
    ・大きいもの、強いものにあこがれる段階(3〜5歳)
    ・性別によって区分する段階(6〜8歳)
    ・職業威信度によって区分する段階(9〜13歳)
    ・個人的な興味による段階(14歳以降)
  • 排除の原則
    子供は「やりたいこと」よりも「やりたくないこと」を排除することでキャリアを考える傾向があります。

選択肢4:不適切

この記述はスーパー(Super, D.E.)のキャリア発達理論を説明しています。職場適応理論とは異なります。

問10

正解:4

選択肢1:不適切

キャリアコンサルタントに相談したい内容について、正社員で最も多い回答は「将来のキャリアプラン」(58.9%)です。

選択肢2:不適切

キャリアコンサルタントによる相談の利用の要望は、正社員・正社員以外共に「費用を負担することなく、社内で利用できるのであれば、利用したい」が最も多く、「社外で、費用を負担してでも利用したい」は少数です。

選択肢3:不適切

キャリアコンサルティングを受け、キャリアに関する相談が役立ったことの内訳として、正社員・正社員以外共に「仕事に対する意識が高まった」が最も多くなっています。

選択肢4:適切

教育訓練休暇制度の利用について、「勤務している事業所に制度があるか分からない」と回答した割合は59.7%で、半数以上を占めています。

2級技能士 第32回 解説リンク集

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