行政関係資料

令和5年度能力開発基本調査③ 【個人調査】まとめ

この記事について

令和5年度能力開発基本調査の「3 個人調査」の(1)から(5)について、まとめています。

全体の大枠を掴むのに良いと思いますので、ざっと一読してから、実際の調査結果を読むといいと思います。

(1)能力・スキルについて

自信のある能力・スキル

労働者全体の86.5%が自信のある能力・スキルがあると回答しました。
(正社員は90.5%、正社員以外は79.3%)

内容:

  • 「チームワーク、協調性・周囲との協働力」が最多
    (正社員52.3%、正社員以外54.8%)
  • 次いで「定型的な事務・業務を効率的にこなすスキル」
    (正社員41.3%、正社員以外39.6%)
  • 最も少ない回答は、
    正社員では「語学(外国語)力」(2.0%)
    正社員以外では「専門的なITの知識・能力」(2.2%)

向上させたい能力・スキル

労働者全体の93.1%が向上させたい能力・スキルがあると回答しました。
(正社員は96.5%、正社員以外は87.1%)

内容:

  • 正社員:「マネジメント能力・リーダーシップ」(42.1%)が最多
  • 正社員以外:「ITを使いこなす一般的な知識・能力」(39.3%)が最多
  • 「読み書き・計算等の基礎的素養」が最も少ない(正社員3.4%、正社員以外4.9%)

正社員とそれ以外では、向上させたい能力が違うことに注意。

(2)会社を通して受講した教育訓練について

OFF-JTの受講状況

労働者全体の34.3%が受講しました。

  • 正社員:42.8%、正社員以外:18.9%
  • 男性:41.0%、女性:26.6%
  • 最終学歴別では大学院(理系)が56.7%と最も高い
  • 年齢別では20~29歳が41.6%と最も高く、年齢が上がるにつれて低下
  • 産業別では「電気・ガス・熱供給・水道業」が高く、「生活関連サービス業」が低い
  • 企業規模別では規模が大きいほど受講率が高い

OFF-JTの延べ受講時間

労働者全体の平均は20.0時間でした。

  • 正社員:22.1時間、正社員以外:11.7時間
  • 男性:21.6時間、女性:17.3時間
  • 最終学歴別では大学院(理系)が26.5時間と最も長い
  • 年齢別では20歳未満が44.4時間と最も長く、年齢が上がるにつれて短くなる

高学歴ほど、受講時間が長く、年齢が上がるにつれて、受講時間が短くなる

OFF-JTの役立ち度

  • 正社員:92.0%が肯定的評価
  • 正社員以外:95.7%が肯定的評価

どちらも、OFF-JT には肯定的。

(3)自己啓発について

自己啓発の実施状況

労働者全体の34.4%が実施しました。→約3割が実施

  • 正社員:44.1%、正社員以外:16.7% → 正社員との差が大きい
  • 男性:39.9%、女性:28.0%
  • 最終学歴別では大学院(理系)が69.6%と最も高い
  • 年齢別では20~29歳が41.6%と最も高く、年齢が上がるにつれて低下
  • 産業別では「情報通信業」が高く、「複合サービス事業」が低い 
    →「複合サービス」は企業や事業所は積極的に導入しているものの、従業員の自己啓発
    への意識が低いことが伺える。
  • 企業規模別では規模が大きいほど実施率が高い

自己啓発の実施方法

  • 「eラーニング(インターネット)による学習」が最多
    (正社員43.6%、正社員以外41.2%)
  • 次いで「ラジオ、テレビ、専門書等による自学、自習」

自己啓発の延べ実施時間

労働者全体の平均は42.2時間でした。

  • 正社員:42.3時間、正社員以外:41.5時間
  • 男性:44.7時間、女性:38.1時間
  • 最終学歴別では大学(文系)が52.1時間と最も長い
  • 年齢別では20歳未満が78.1時間と最も長く、年齢が上がるにつれて短くなる

自己啓発の延べ自己負担費用

労働者全体の平均は25.1千円でした。

  • 正社員:25.0千円、正社員以外:25.5千円
    正社員以外の方が自己啓発費用の支出額が多いことに注目
  • 男性:24.9千円、女性:25.4千円
    男性よりも女性の方が支出額が多いことに注目
  • 最終学歴別では大学院(理系)が38.4千円と最も高い
  • 年齢別では20歳未満が33.3千円と最も高い

自己啓発費用の補助状況

労働者全体の44.4%が補助を受けました。

  • 正社員:47.8%、正社員以外:28.1%
  • 男性:47.4%、女性:39.5%
  • 最終学歴別では大学院(理系)が52.8%と最も高い
  • 年齢別では20~29歳が51.2%と最も高い

自己啓発費用の補助を受けた者の補助主体(最も補助額の大きいもの)別の内訳。

  • 「勤務先の会社」が 91.5%(正社員 92.8%、正社員以外81.1%)
    →補助主体の多くが勤務先から。

自己啓発を行った理由

「現在の仕事に必要な知識・能力を身につけるため」が最多(正社員83.4%、正社員以外74.0%)。

自己啓発を行う上での問題点

労働者全体の80.0%が問題があると回答しました。

  • 「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」が最多
    (正社員60.0%、正社員以外37.1%)。

(4)これからの職業生活設計について

職業生活設計の考え方

  • 正社員の66.7%が主体的に職業生活設計を考えたいと回答
  • 正社員以外の52.2%が主体的に考えたいと回答

労働者の半数以上が前向きに職業生活設計を考えたいと思っている。

キャリアコンサルティングの経験

労働者全体の10.8%が経験しました。

  • 正社員:13.8%、正社員以外:5.4%
  • 主な相談先は「職場の上司・管理者」(約7割)
  • 相談の効果として「仕事に対する意識が高まった」が最多(約5割)

まだまだ、キャリアコンサルタントを受ける従業員は少ない。
また、相談先も、プロではないので、効果的なキャリアコンサルティングができていない可能性もある。

キャリアコンサルタントによる相談の利用要望

  • 正社員の59.7%、正社員以外の39.3%が利用したいと回答

正社員

「費用を負担することなく、社内で利用できるのであれば、利用したい」 32.6%
「費用を負担することなく、社外で利用できるのであれば、利用したい」 25.4%
「社外で、費用を負担してでも利用したい」が 1.7%
合わせて 59.7%がキャリアコンサルタントによる相談を利用したいとしている。

→費用がかからないならば、受けたいが、費用がかかるなら不要。

正社員以外

「費用を負担することなく、社内で利用できるのであれば、利用したい」 23.3%
「費用を負担することなく、社外で利用できるのであれば、利用したい」 15.2%
「社外で、費用を負担してでも利用したい」が 0.8%
合わせて39.3%がキャリアコンサルタントによる相談を利用したいとしている。

→正社員と同様、無料であれば受けたい。

キャリアコンサルタントに相談したい内容

  • 正社員:「将来のキャリアプラン」(56.9%)が最多
  • 正社員以外:「仕事に対する適性・適職」(38.1%)が最多

(5)教育訓練休暇制度等の利用

  • 各制度の利用率は1%程度にとどまる
  • 「勤務している事業所に制度があるか分からない」が半数以上
  • 各制度の利用要望は1割を超えている(1割のニーズはある)

まとめ

今回は、令和5年度能力開発基本調査の「3 個人調査」の概要をまとめました。

注意点は、自己啓発への自己負担について、正社員より正社員以外の方が支出が多くなっているということと、男性より女性の方が支出が高くなっているということです。

言い換えると、正社員の男性は、相対的に自己成長意欲が低いという課題が浮かび上がってきます。

この課題の解決にもキャリコンサルタントが介入する必要がありそうですね。

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